さぁ、17-18シーズンの指名理由です。
いやぁ、今年もこの季節がやって来ましたねぇ。コレを書き始めたのは、ドラフトの翌日。記憶が冷めやらないうちに、サクッと行きましょう!(※追記:ダービー前日に書き終わりました)
さて、恒例の前シーズンの振り返りから。ダービーを残して、現在は3位。残念ながら優勝の目は消えてしまったのですが、≪15頭≫の勝ち上がりはトップ、そして≪23勝≫は1位タイ。こだわっている部分の数字はある程度の満足いく結果となりました。優勝を狙うのはモチロンですが、1年間を楽しむこともPOGの醍醐味。そういった面では、充実したシーズンを送れたかなぁ、と。指名馬たちに感謝するとともに、シーズン終了後の活躍を祈っています。
そして・・・ココからは本題に入るのですが、まずはドラフトの感想から。
うーん、、、今年は点数の付けようがないドラフトでした。指名馬のラインナップを見ると、思うように行った部分とそうでない部分の落差が大きく、ちょっと予想外の出来事に対応できなかったような気がします。しっかり準備はしてきたつもりなんですが、他のオーナーの動向を含めて、少し見立てが甘かったなぁ…という印象です。(前年のドラフトがうまく行き過ぎたのも大きいかなぁ)
まぁ、色々な出来事がありましたが、1年後に笑っていることが出来ればいいだけですからね。長いシーズンを戦い抜く、20頭の頼もしい相棒たちをここからご紹介しようと思います!
【1位 エントシャイデン(父ディープインパクト、母ルシュクル) 牡、矢作芳人】
大混乱のドラフトの原因となったのは、この1位指名。グレートウォリアーの抽選に敗れ、当初2位の予定だったヘンリーバローズも消えたということで、いきなり想定外すぎる出来事が巻き起こりました。そんなこともあり、ハズレ1位の指名に関しては短時間ながら思考をフル回転…。いわゆる“ドラ1”級の評価であるシルヴァンシャーに行くことも考えたのですが、やはり欲しい馬を獲ることを重要視し、この指名に至ったのです。いわゆるホームランバッターではありませんが、明らかにスピード感がある血統に加え、早期始動も明言済、さらに関係者の評価もかなりのモノ。『勝利数』と『出走回数』にこだわる自分にとっては、強いシンパシーを感じるのが矢作先生。今回のUMASAMURAIの1位指名馬の中では最も地味な存在かもしれませんが、もともと祖母のアジアンミーティアの産駒も連続指名していたぐらい、個人的には好きな血統ですしね。速攻性というアドバンテージとともに2歳戦線を盛り上げて欲しいと思います!
【2位 シエラネバダ(父ディープインパクト、母ミスパスカリ) 牡、音無秀孝】
偶然ですが、1位も2位も芦毛のディープ産駒になりました。本来はもう少し下の順位でも行けたかもしれませんが、確実に欲しかった馬なので繰り上げで指名することに。繁殖年齢を重ねるごとに母の産駒も大ブレイクの気配が漂いますし、音無師の「90%以上走る!」というジャッジも魅力的。使いつつ能力を発揮する印象がある血統でもあるので、兄たちよりも早いデビューが見込めるという点も大きいと思っています。個人的にPOGという点では、母のミスパスカリや姉のウィンターコスモスにも縁があります。昨今は新鋭の馬主さんの活躍も目立ちますが、そろそろ忘れた頃の金子オーナーの大爆発というのもアリじゃないでしょうか!
【3位 ダノンチェリー(父ディープインパクト、母ウィーミスフランキー) 牝、池江泰寿】
牝馬で最も欲しかった馬。いやぁ、獲れて本当にホッとしました! この世代は牡馬の14頭に対して牝馬が6頭と、大きな偏りを生んでしまいましたが、このバランスで行こうと決断したのも、この馬の獲得が実現したという部分がとても大きいです。セレクトセールの上場時から最高級の評価を得ていた馬ですが、非常に順調な育成過程を経て、夏前のデビューも見据えるほどに。ノーザンのディープ牝馬の中でも馬格もしっかりありますし、「チップの蹴り上げがすごい」と評価されるほど、力強さも備えています。“消耗戦”でもある牝馬クラシックは、キレ味だけでは戦い抜けません。馬名の由来でもある桜花賞を目指すべき素質を秘めた、今年のエース級の存在だと思います。
【4位 ソシアルクラブ(父キングカメハメハ、母ブエナビスタ) 牝、池添学】
ブエナビスタの仔を指名する日が来るとは・・・いやぁ、感慨深いです。昨シーズンのコロナシオン(でぃーぷオーナーのハズレ1位)を見ても、必要以上に人気が集中するのは仕方ない血統ですし、この馬も2位までに消えると思っていたんですよね。他に優先すべき馬も居たのでリストからは外していましたが、この順位まで残っていたので“予定外”の指名を強行し、獲得することが出来ました! ポテンシャルは間違いないでしょう。秋の京都で華々しいデビューを飾り、母と同じ道のりを歩んで行ってもらいたいですね。
【5位 サトノエターナル(父ディープインパクト、母ソーメニーウェイズ) 牡、池江泰寿】
当初は指名する予定が全く無かったんですよね。「ディープ」+「サトノ」+「池江厩舎」+「セレクトセール落札馬」という“ベタ”すぎる要素が揃っていますし、当然1位で消えるモノだと思っていました。それが待てども待てども誰も手を挙げず、この順位…。こうなりゃ行くっきゃありませんし、さすがに美味しい指名だったんじゃないでしょうか! 獲れなかった馬たちとネームヴァリューでは負けていませんし、大物の“穴埋め”はコレで完了。さぁ里見オーナー、次はダービーの表彰台でお待ちしています(笑)。
【6位 ステルヴィオ(父ロードカナロア、母ラルケット) 牡、木村哲也】
自分の指名メソッドが「早期デビュー」である以上、この馬をラインナップから外す訳にはいきません。抽選で勝つことが出来て、安堵感が込み上げてきました。新馬戦開幕週、安田記念当日の東京に鞍上ルメールでデビュー。年長馬を相手に抜群の調教を披露していますし、ロードカナロア産駒の初勝利は約束されたと思っています。今夏、美浦の新厩舎エリアで真っ先の最先端の技術を取り入れる木村厩舎。外厩に頼るだけではなく、ぜひ手元でこの馬の素質を伸ばしていってもらいたいと思います。
【7位 グラマラスライフ(父ハーツクライ、母プリティカリーナ) 牝、田村康仁】
ダノンチェリーが桜花賞なら、オークスを託す存在は間違いなくこの馬です! 母は次々と素質馬を送り出していますが、これだけ見栄えがする馬を輩出したのは本当にお見事。垢抜けた馬体に加えて、坂路を駆け上がる姿は本当に力強くて、いやぁ“イイ馬感”に溢れていると思います。デビューは秋まで延ばしましたが、ノンストップで頂上決戦まで駆け上がってくれるでしょう。
【8位 サトノオンリーワン(父ディープインパクト、母クリームオンリー) 牡、堀宣行】
今回のPOGの話題の一つでもある「堀厩舎の早期入厩」。秋の東京デビューに流れる馬も多い中、この馬は開幕週デビュー。そして、ステルヴィオと激突することになってしまいました。いやぁ、6月の東京で初陣を飾るとは思っていたけど、まさかの開幕週とはなぁ(笑)。ただ、素質馬揃いの厩舎の中でも早めに賞金を稼いでおくことは間違いなく大きなアドバンテージ。育成時代の評価と同じように、入厩後の時計を見ても能力を秘めていることは間違いなさそう。「ナンバーワンにならなくてもいい」なんて歌詞もありますが、この馬はナンバーワンかつオンリーワンな存在になって欲しいと思います!
【9位 キープシークレット(父ダイワメジャー、母ウーマンシークレット) 牝、矢作芳人】
この馬には色々な思いがあって・・・ドラフト会議の約1年前、1歳馬募集に先駆けてキャロットに回ってきて欲しいノーザン生産馬をピックアップしていた際に存在を知りました。社台・サンデー・G1の募集馬でもなく、セレクトセールにも未上場。ラヴズオンリーミーに通じる脂が乗り切った血統でもあり、ダイワメジャー産駒に何度も出資している自分にとっては、とにかく興味津々の存在。何とかキャロットに来て欲しいと願っていたんですが、あろうことかライバルのシルクへ。その後の近況や調教の動画もチェックしていましたが、いやぁ本当に順調に成長を遂げていることを実感し、早々にPOGでの指名を確定していました。馬格もあるし、父の走る産駒に共通する筋骨量もしっかり。ミエスクの血はもちろん、ヌレイエフ→ミスプロ→サドラーと通じる母系も素晴らしい! 間違いなくクラシックに乗ってくるでしょうし、「いやぁ、キャロットに来てくれれば…」なんて自分を悔しがらせるような結果を残してくれると思います。
【10位 スターダムフロント(父War Front、母Don’t Trick Her) 牡、藤沢和雄】
キーンランドで1億円近い価格で落札されたという点や関係者の評判も魅力的なんですけど、何と言ってもこの馬の指名を決断するキッカケとなったのは「吉田照哉氏が鞍上に武豊Jを指名した」って事実なんですよね。それがデビュー戦の1ヵ月も前から決定していたという点に、並大抵の馬ではない予感がプンプン漂ってきました。過去に一度も獲ったことがない函館2歳S。毎年、このレースに送り出すことを目標に函館デビュー馬も指名しているんですが、今年はこの馬の情報が入って来た時点で他馬への興味が無くなりました。衝撃的なデビュー戦を飾り、その勢いで2歳Sを制覇。そして、世界への挑戦を表明・・・そんな妄想すら抱いています(笑)。
【11位 シャンデリアスピン(父ノヴェリスト、母ダンスインザムード) 牝、松永幹夫】
4年ぶりに母の産駒を指名することが出来ました(号泣)…! ダンスファンタジア、サトノプレジデント、マンインザムーン、シャドウダンサーと初仔から4年連続で指名していた矢先に、他オーナーから横槍が入った母の産駒。ただ、意地で奪うことは一切考えず、冷静に良い馬が現れた時には指名をしようと心に決めていました。で、今回のシャンデリアスピン。父は新種牡馬のノヴェリストですが、もともと母の産駒はどんな配合でもクズを出さないので、その点は全く問題なし。POG本取材の時期には既に山元へ移動していたため情報はほとんど載っていませんでしたが、ここまでの過程も問題なくクリアし、6月中旬でのデビューも決まっています。母の産駒では初めての青鹿毛となりますが、コレはGIを勝った母や、祖父のサンデーサイレンスの血を継承していることの証でもあります。久々の復縁を果たしただけでもワクワクしますが、この何倍もの高揚感を大きなレース後に感じることが出来たら最高ですね!
【12位 グラウベン(父ディープインパクト、母サンドリオン) 牡、安田隆行】
ダンスインザムードの産駒は他オーナーの横槍が入ったと書きましたが、サンドリオンの血は守り続けることが出来ました! 初仔から4頭連続の指名になりますが、母に思い入れがあった旨の話も書き飽きたので、正直なこの馬に対する評価を。母の産駒は3年ぶりになるんですけど、育成段階の話を聞いても今回は少し微妙かなぁという感じ。というのも、脚元の硬さを示唆するコメントが出ていて、母父のコマンダーが悪さをしているんじゃないかなぁという印象。馬体重も希望を言えば、もう少し欲しかったですしね。ただ、母の産駒からは超大物が出ると信じて獲り続けている血統ですし、夏を越してグンと良くなることを期待しています。16年産は血統登録されていませんし、ノースヒルズのHPを見ても繁殖一覧から母の名が消えている所を見ると、もしかしたらラストクロップになる可能性も…。「信じる(グラウベン)」という意味の偉大な馬名もいただきましたし、その気持ちを胸に応援していきたいと思います。
【13位 リョーケン(父Galileo、母Sogno Verde) 牡、矢作芳人】
了徳寺オーナーの勢いは本当にすごいですよね。了徳寺グループの広がりも、柔道界への貢献も聞いたことはありましたが、競馬王のインタビューを読んで、競馬への情熱の深さにも本当に驚きました。正直、地味な厩舎が多く、頭数は多いものの海外セール落札馬の価格帯も低めなことが多いため、狙い撃ちをするのは難しいと思っていました。そんな中で、この馬名ですからね…。厩舎も文句ないですし評判も上々、ここは素直にその期待感に乗ってみようと思いました。ガリレオの仔ですが、母父のGreen Desertが日本への適性を高めてくれるでしょうし、タイキシャトルやグラスワンダー、クロフネのようなひと昔前の大物マル外に育ってくれる可能性も十分に持っている馬だと思います。
【14位 バレリオ(父ステイゴールド、母リリウム) 牡、相沢郁】
16年産に1頭だけ産駒がいるものの、実質ラストクロップとなるステイゴールド産駒。オルフェーヴルでお世話になりましたし、何とか重賞クラスの馬でも指名したいなぁ…と思っていました。で、このバレリオですよね。正直、母の産駒は毎年評判が良く、競馬王POG本の巻頭インタビューで掲載される強気なコメントのわりには走っていないと思っていたんですが、「待望の牡馬」とか「スタミナとスピードを兼ね備えている」という言葉に惹かれ、さらにオルフェーヴル同様のサンデーRという点で指名を決めました。姉のアイスフォーリス同様にトライアルで切符を獲り、クラシックでポイントを加算してくれるような活躍を期待しています。
【15位 ジナンボー(父ディープインパクト、母アパパネ) 牡、堀宣行】
長男(モクレレ)を2位で指名していましたからね。次男坊が15位まで残っているなら、指名しない手はないでしょう! こうなったらサンナンボーもヨンナンボーもコンプリートしたくなってしまいます(笑)。まぁ馬名が嫌われたんでしょうけど、冷静に考えたらこんな順位に残っていてはダメな馬。父も母も3冠馬という、この世代でもナンバーワンの良血馬ですし、何と言っても天下の堀厩舎。そして、6月の東京開催でデビュー出来そうな速攻性まで持ち合わせています。初仔がコケて2番仔が走るなんて、鉄則の法則じゃないですか。うん、フツーに考えて美味しすぎる指名だったなぁ!
【16位 ヴァイザー(父ノヴェリスト、母ヴァイスハイト) 牡、高橋亮】
出資馬なんですが、まさかの開幕週デビュー。そして、調教もめちゃくちゃ動いています。カタログには「父(ノヴェリスト)産駒の切り込み隊長としての役割は本馬に託されました」なんて書いてあったんですよね。この通りの結果が出たら、本当に恐るべし!なんですけど…。ただ、POGでは指名していない他の2頭(ラプトレックス、コンダクトレス)もそうですが、まずは無事に順調に走ってくれたらと思います。
【17位 スヴァルナ(父ステイゴールド、母ブルーミングアレー) 牡、池江泰寿】
バレリオ(14位)の指名理由でも書いたんですけど、実質ラストクロップのステイゴールド産駒。ココはやはり、池江厩舎からも1頭指名したいと思っていました。「地を這うような走り」を見せるというこの馬ですが、心配なのは気性面。早期の入厩を果たしたのにも関わらず、ゲート試験の合格までは4回も費やしましたからね(苦笑)。ただ、気難しい父の産駒も池江先生にはお手のモノでしょう。この父、この厩舎から再びドラマが生まれれば…と願っています。
【18位 ファーマメント(父ダイワメジャー、母アオゾラペダル) 牡、高木登】
今年の指名馬は開幕週で4頭がデビューする予定なんですが、日程的にもそのトップを飾るのがこの馬です。2歳戦における父の産駒の信頼感はハンパなく、それを証明するように調教でもしっかり動いてくれています。この父・母父の配合も一時期話題になったように明らかなニックス。期間内の2勝は堅いでしょうし、同じ勝負服で開幕週デビューを果たしたイスラボニータのような活躍をイメージしています。
【19位 ダノンマジェスティ(父ディープインパクト、母ドバイマジェスティ) 牡、音無秀孝】
衝撃的な指名でした。全く別の馬を獲る予定でしたし、そもそもこの馬はリストアップすらしていません。皐月賞馬の全弟かつ、セレクトの高馬。まぁ、1位は無いにしても普通は上位で消えますよね。いやぁ、でもパラパラっとPOG本を見ていたら誰も指名していないのに気付いちゃったんですよ。19頭ということで、指名も残り2枠しかありません。予定していた馬を獲得しないと戦略的にも狂いがあったんですけどね、結果として悪魔の囁きに負けました(笑)。まぁいいでしょう、こんなに豪華な馬がこの順位で獲れたんですから。私のPOGのモットーに反する“遅い”デビューの馬なんですけど、地雷の匂いもするんですけど…結果オーライになればと思っています!
【20位 ナスノシンフォニー(父ハーツクライ、母ナスノシベリウス) 牝、武井亮】
昨秋から何度も仕事で足を運んでいる「那須」。今では、気候も雰囲気も個人的には大好きな場所となりました。そんな中、先日宿泊した某ペンションから徒歩圏(500m)の距離にあるのが、この馬の生産牧場。そう、長年のPOGで初めて栃木県産馬を指名しました! とはいえ、とんでもない魅力的なプロフィールが揃っているのも事実。まず血統面では、今をときめくニックス配合(※ハーツクライ×Unbridled’s Song=スワーヴリチャード、カレンケカリーナをはじめ、6頭全馬が賞金1,000万円以上獲得!)。さらに、那須生まれにも関わらず、ノーザンで育成され、評判も上々。最も調教が進んでいる組に入り、福島デビューも示唆されています。今年のドラフトでは各オーナーそれぞれの個性を発揮した指名があったと思いますが、さすがに栃木産馬は真似できないでしょう(笑)。那須に縁が無ければ成し遂げられなかったであろう指名、今からデビューが楽しみで仕方ないです!
ということで、7,000文字以上に及ぶ今年の指名理由。長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。
最後に書いておきたいことが1つ。UMASAMURAI初年度に指名し、牡馬3冠を獲らせてもらったオルフェーヴルの初産駒はラインナップから外れています。当然、オルフェーヴルは大好きだし、産駒も指名したいと思っていました。ただ、「何でも獲ればいい」わけではなく、指名するからには絶対に活躍馬を獲りたいという思いがあったんですよね。指名する予定だった馬も何頭かいましたが、ドラフトの流れで他のオーナーに獲られてしまった以上、中途半端な馬に手を出すワケにはいきません。来年こそ・・・の思いです!