18-19シーズンは、3大会ぶりの優勝を果たすことが出来ました。ホープフルS→桜花賞→皐月賞とGI3連勝を決めた一方、NHKマイルとダービーでは1倍台の圧倒的人気で敗れるなど、最終的には少し複雑な気持ちに…。この思いは、すでに開幕する2歳戦で切り替えていければと思います。
「連覇」を狙う今シーズンのドラフトは充分に合格点。想定外の展開に対しても、その場で修正しつつバランスを考えた指名をすることが出来たと感じています。特に、今回の2歳馬には過去の指名馬たちの弟や妹に評判馬が多く、「あれもこれも獲りたい」という気持ちもありつつ、他のオーナーに指名された場合でも冷静にリカバーが出来たと思っています。
また、特に19年のクラシックを見ていると、改めて感じたのは「ディープインパクトの偉大さ」。ディープの仔は牡牝合わせて5頭程度の予定でしたが、ドラフトの流れで8頭の指名となったのは、ダービーが終わった今考えると結果的には大正解でした!
2歳夏場からバリバリ動ける「早い馬」と、3歳クラシックを見据えた「大物」の2タイプを牡牝ともにしっかり確保することが出来た、バランス抜群の20頭たち。開幕週から来年のダービーまで、連覇を達成するために駆け抜けてくれることでしょう。さぁ、指名理由をご覧ください!
【1位 リアアメリア(父ディープインパクト、母リアアントニア) 牝、中内田充正】
以前はホームラン候補の指名も行っていましたが、最近は「最も可能性が高い馬」を指名するように心がけている「1位」。弱点が無く、そして計算が立つ馬と考えると、この馬以外を1位に置くことは考らえられませんでした。3人の競合となりましたが、姉を昨年指名していた“思い”が繋がった抽選勝ちと言えるでしょう! もちろん、ダノンファンタジーに続くような活躍を期待しています。
【2位 モーベット(父オルフェーヴル、母アイムユアーズ) 牝、藤沢和雄】
牡馬クラシック3冠をはじめ、世界制覇の一歩寸前まで近づいた「オルフェーヴル」。GIの勝利こそないものの、2歳夏から引退までターフを駆け抜けた「アイムユアーズ」。その配合から生まれたこの馬ですが、両親ともに私の指名馬にあたります(父=2010-11シーズン、母=2011-12シーズン)。
ただえさえPOG人気もある中、『指名馬×指名馬』という奇跡の血統を持つこの馬を“確実に”指名するために、一時期は1位で獲ることすら考えていました(募集当初、シルクへの入会すら検討しました…笑)。指名が決まった時には本当に安堵感でいっぱいになりましたし、早速訪れる今週末の新馬戦が楽しみで仕方ありません。
【3位 サトノフラッグ(父ディープインパクト、母バラダセール) 牡、国枝栄】
当初はあまり興味がなく、里見オーナーのコメントを読んでも「ふーん」という感じでした。ただ、評価が激変したのが調教動画を見た時。首をしっかり使ったバネのあるフォームが映像で流れてくると、目が釘付けになって何度もリプレイしたほどです。今年のラインナップを見ても、定年が近い「国枝師にダービーを」という流れが間違いなく起こりそう。それを叶えてくれるのは、まさしくこの馬になるのではないでしょうか。
【4位 スパングルドスター(父ディープインパクト、母スタセリタ) 牝、藤沢和雄】
この辺の順位で藤沢厩舎のディープ牝馬を確保することは決めていました。候補はスタセリタ、ヒルダズパッション、ピラミマ、ステファニーズキトゥン(マル2位)。最終的に残った3頭の中から選んだのが、この馬でした。種牡馬が違う姉2頭で結果を残している母ですし、プロフィールはもちろん満点。この血統は初指名となるので、あとは自分と相性が良いかどうか…それだけでしょう。
【5位 サトノインプレッサ(父ディープインパクト、母サプレザ) 牡、矢作芳人】
ここまで牝馬3頭に対して、牡馬は1頭。バランスを考え、クラシックを見据えた牡馬を1頭獲っておきたいということから、控えリスト(当初決めていた20頭以外)から繰り上げ、この馬を指名しました。
母の仔は毎年人気になるものの結果を残せていませんが、これまでクラブで募集されていた兄姉と違い、今年は個人馬主に初めて売却した点(それも「庭先」で超お得意様の里見オーナー)、ゲート試験を既に合格している点(兄姉は秋や暮れデビュー)、そして良い悪いをハッキリ明言する矢作師が絶賛している点など、ポジティブな要素に溢れています。3位のサトノフラッグと合わせて、東西でサトノ軍団が大暴れを見せてくれることでしょう。
【6位 サイクロトロン(父ロードカナロア、母キャレモンショコラ) 牡、音無秀孝】
この順位で指名するのは、正直かなり危ないと感じていました。やはり早い馬というだけでも人気が集まる中、「ロードカナロア×金子オーナーの牡馬」という字面だけでも指名に値しますからね。ドラフト週になってようやく好時計を出すようになったので、“隠れていた”部分も助かりました。
底知れないスピードを持っていた母と父の組み合わせを考えると、この馬はオーナーが未達成の朝日杯狙いなのは言わずもがな。私も長年POGをやっていて未だに手が届いていないタイトルでもありますし、ここは両者の悲願をこの馬に託したいと思います。
【7位 マイラプソディ(父ハーツクライ、母テディーズプロミス) 牡、友道康夫】
ドラフト前から“銀河系軍団”の呼び声が高かった友道厩舎ですが、その波はUMASAMURAIにも。本来なら母アパパネ、母スペシャルグルーヴと合わせて中京デビューの3頭獲りを画策していたのですが、何とかこの馬だけでも確保することが出来ました。
高馬でハズレが続くキーファーズの松島オーナーですが、ノーザンFにとっては是が非でも結果を出して欲しい存在のハズ。そんな中で、庭先で取引され、これまで縁の無かった友道厩舎に初預託されるという点でも牧場サイドが斡旋した匂いが多大に感じられます。やはり競馬を盛り上がるためには「武豊」その存在はまだまだ必要です。名手の久々ダービー制覇を狙ってみたくなりますね…!
【8位 ギルデッドミラー(父オルフェーヴル、母タイタンクイーン) 牝、松永幹夫】
キャロットクラブで出資している私にとっては、(心情的に)シルクの馬を多数取るのはあまり積極的になれないんですが、結果的には4頭指名。いや…この世代は本当に魅力的な馬が多いので仕方ありません。
初仔から2頭連続でOP馬を輩出している母ですから、どう考えてもポテンシャルがあるのは間違いありません。オルフェーヴル産駒はネガティブな印象を持たれがちですが、日本への適性を考えると兄以上の成績を残してもおかしくないですし、気性的な部分もミキオ厩舎なら文句ないでしょう。母の仔は今後間違いなくトレンドになると思いますし、18年産のドゥラメンテ牝馬(シルクで募集)もめちゃくちゃ魅力的ですよね。
【9位 アルベロベッロ(父ディープインパクト、母ウィンターコスモス) 牡、堀宣行】
グリュイエール以来、かなり久々の指名となる母の仔。重賞勝ちこそ居ませんが、牡馬に限れば100%の確率でOP馬。そして、アイスバブルの活躍を見ても爆発寸前の気配が漂います。この馬は堀厩舎ということで情報が少なかったものの、調教の動画を見てもしっかり動けていました。デビューは早くないかもしれませんが、共同通信杯からクラシック路線に名乗りを上げるようなイメージを持っています。
※この馬の指名理由の一つに馬名も占めています。イタリアの「アルベロベッロ」には新婚旅行で訪れたんですが、独特の文化が根付いている街で印象的でしたし、地元の革職人の方に作ってもらったバッグは今でも大切に使っています。この馬の活躍で、もっとアルベロベッロに興味を持つ人が増えたらいいなぁ…なんて思っています。
【10位 ブルーミングスカイ(父ディープインパクト、母ブルーミンバー) 牡、角居勝彦】
柴田善臣信者の自分としては、ヨシトミさんを背にクラシックを戦ったトーセンブレスの印象がとても強く、特にデビュー戦で見せたパフォーマンスには度肝を抜かれました。気性面もあってなかなか上手く噛み合わない全姉ですが、島川オーナーもそのポテンシャルを感じ取って、再びこの血統をセレクトセールで手に入れたと感じています。
姉が所属していた加藤征厩舎からメインステーブルに代わるのも「トーセン」にとっては期待の表れでしょうし、何と言っても角居厩舎の馬を指名するなら早期入厩はマストの条件。2歳戦はスピードを生かしてマイル路線で頭角を現し、徐々に距離を延ばして皐月賞を狙っていくようなイメージを持っています。
【11位 ダーヌビウス(父キングカメハメハ、母ドナウブルー) 牝、石坂正】
ここまでの流れで欲しかった牝馬は順調に指名することが出来ていたので、プロフィール面でとても魅力的だったこの馬を控えリストから繰り上げました。
ダービーを振り返ってみても、ドナブリーニやリトルブックの牝系が持つスピードは日本競馬に抜群の相性を見せていますし、初仔から素質を見せている母の仔もそろそろ大きな結果を出してくれるでしょう。定年間近の名伯楽に「最優秀2歳牝馬」の称号を届けることが出来たら最高ですね。
【12位 ワーケア(父ハーツクライ、母チェリーコレクト) 牡、手塚貴久】
毎年1頭は指名しておきたい手塚厩舎。同厩の母タピッツフライが上位で消えることは予想していましたので、師が同等の評価を与えているこの馬は確実に押さえておきたいと思っていました。早々にルメールを確保した点、ずっと在厩で調整している点からも期待感が伝わってきます。
クラブで募集された半姉は少し苦労していますが、徐々に力を付けてOP入りを果たしたダノングレースを見ていると、早期デビューに値する動きを見せているこの馬が“成長力”という武器を身に付けた時には一気に頂点まで届くかも…1年後の府中でその予感が現実になってくれたらと思います。
【13位 セントオブゴールド(父ディープインパクト、母キューティゴールド) 牡、木村哲也】
ディープ産駒も充実していましたし、シルクの馬も既に3頭。そもそも、本来は獲る予定が無かったんですよね。ただ、この順位まで指名されないのはどう考えても勿体ないということで、予定を変更して指名させていただきました。全姉の活躍、牧場サイドも絶賛、ゲート試験も合格…まぁ、何も文句はないですよね。デビューは少し先延ばしになりましたが、目指すはクラシック。うん、13位なら美味しい指名でした!
【14位 ゴールドティア(父キングカメハメハ、母ヒストリックスター) 牝、池添学】
この馬も指名する予定はなかったのですが、指名馬を眺めていた際にもう1頭ぐらい早期から楽しめる牝馬を…という事で、ラインナップに加えました。自分にとっては、ベガの牝系はPOGで初指名になりますし、今まで縁が無かった血統なだけにワクワクしています。
ハープスター以来、キャロットで募集され続けている母の仔ですが、小柄だったり体質が弱かったりで、なかなか思うような馬が出ていませんでした。そんな中、1歳の頃から評判が高く、そのまま順調に来ているこの馬には久々に“大物感”を感じています。
【15位 クレイス(父ロードカナロア、母クリアンサス) 牡、藤岡健一】
ある程度、距離に融通が利くことが分かって来たカナロア産駒ですが、そのスピードを存分に生かすことも忘れてはいけません。UMASAMURAI初年度に指名した母ですが、名牝フラワーパークにリダウツチョイスを掛け合わせ、最後の仕上げにロードカナロア…! 爆発的なスピードで駆け抜けるスプリンターの誕生を期待せずにはいられない配合となりました。
実馬も筋肉がムッキムキ! さらにNF空港でも、しがらきでも動きが絶賛されているようですし、秘めている素質は間違いなさそう。あとはマイルまでこなせるかどうか、問題はその点だけでしょう。
【16位 アルファウェーブ(父Gleneagles、母Waveband) 牡、藤沢和雄】
マル外の存在感が薄れつつある近年のPOGですが、毎年1頭は指名することを目標にしています。海外のセールの落札、トレーニングセールであれば調教映像も見ていますが、どうしても踏み切れなくなっている自分にとっては、この馬のプロフィールはかなり魅力的に映りました。
ノーザン育成馬ですし、時代は変わらず外国産馬でも結果を出している藤沢厩舎。順調さに加え、馬体がグングンと変化しているという成長力も持ち合わせているそう。夏の洋芝から名乗りを上げて、ゆくゆくは同厩のタワーオブロンドンぐらいまで走ってくれたら最高です。
【17位 エボカシオン(父ハーツクライ、母カルディーン) 牡、橋田満】
「森田藤治氏×橋田満厩舎×ノーザンファーム×セレクトセール落札」ということで、ディアドラと同じチームになるのがこの馬。ハーツの仔はディープ産駒に比べて完成までに時間が掛かることを考え、この世代の中でも特に早期から動けそうな馬をピックアップしていました。育成の段階からイイ動きを見せていたようですが、在厩でしっかり力を付ける“橋田流”で鍛えてもらい、最後はGIを手にしたラインの爆発力に期待しています。
【18位 ディアスティマ(父ディープインパクト、母スウィートリーズン) 牡、高野友和】
個人的に今年のドラフト最大のサプライズだったのが、この馬の指名。そもそもリストにすら存在していませんでした(笑)。残り3頭となった時点で、18位で指名する馬は既に決まっていて(母レジェンドトレイル)、スケッチブックに書き込んでさえいました。
他オーナーが書くまでの間にGallopのPOG本を暇潰しにパラパラめくっていると…この馬が未だに指名されていないことに気が付いたのです。競馬王、馬三郎、東スポも含め、自分が見ていたどの媒体でも大きく扱われていた馬ですから、さすがにこの順位で指名されていないのであれば突撃するしかありません。「絶賛のコメントはセールスのためじゃないか…」「厩舎は大丈夫か…」とネガティブなコメントも頭を過りましたが、まぁどう考えても18位まで残る馬ではないですよね。今はただ、ラッキーとだけ思っています!
【19位 アメージングサン(父ロードカナロア、母アメージングムーン) 牡、奥村武】
ローレルの馬なんですけど、一口馬主たちをザワつかせているのをご存知でしょうか。この馬、とにかく奥村師の評価がハンパなくて「函館2歳Sは勝てる」とさえ断言しているのです。その証拠に、ノーザンの馬ではないにも関わらず、ルメールの騎乗を確約させ、新馬戦から中1週で2歳Sに向かうプランさえ立ち上がっています。POG人生で未だに達成していない“函館2歳S”制覇。毎年1頭は函館デビュー馬を送り込みますが、今年はこの馬に命運を託してみましょうか。
【20位 ベルアンブル(父ロードカナロア、母ダノンベルベール) 牝、奥村武】
POGの中で「早期デビュー」の大切さを決定的に印象付けてくれた存在がダノンベルベールです。秋のデビューが王道だった当時、地味な福島1200mでの新馬から早期のアドバンテージを持って暮れのGI、クラシックまで駆け抜けてくれた母のおかげで、アイムユアーズやエーシントップ、ステルヴィオなどの指名に繋がったと思っています。
そんな母の仔も今回が初指名。これまでジャングルポケット、シンボリクリスエスとの配合でしたが、ロードカナロアを付けたことにより、母の特徴であった“スピード”と“完成度”が見事に表れた産駒が登場しました。既に素質の高さが評判になっているようですし、母同様に夏のデビューからクラシック路線にまで顔を出してくれると本当に嬉しいです。
ふぅ…ドラフト翌日に指名理由を一気に書き上げました。今回は余韻も残っていたので、比較的サラサラと進みましたね(笑)。心にも余裕があるので、最後にもともと指名する予定だった馬で、残念ながら他オーナーの所属になった馬たちについて、ひとこと書いて行きましょう。
【母アパパネ】(bambam88)→長男坊、次男坊と指名していただけに、ここは欲しかった! ただ、3位予定ではさすがに残っていないですよね…。朝日杯とクラシックを両方目指せそうな素晴らしい馬だと思います。個人的にも、過去3年で1番の評価です。
【母フィオドラ】(でぃーぷ)→ノースヒルズの評価だけでも指名に値しますが、やはり社台で募集される今年の1歳が高価格&かなりの評判馬のよう。個人的にはキズナ産駒の1番手評価でした。
【母タピッツフライ】(bambam88)→牡馬の中では4番手の評価でしたから、どう考えても指名できないと思っていたので仕方ありません。普通に考えれば、ドラ1で消えるでしょうし、この3位指名は絶妙。
【母シルヴァースカヤ】(Sum34)→1位ですか! イイ馬だけに、確かに1位で行く価値もあると思います。絶対にどこかで母の産駒から大きなタイトルを獲る馬が出るでしょうし、ハーツに代わったことも個人的にはプラスだと思っています。
【母コンドコマンド】(ビギン)→ふと思ったけど、池江厩舎の馬を獲れなかったことに気が付きました。この厩舎の中では早い方ですし、順調さが魅力的ですよね。
【母ヒルダズパッション】(マル)→昨年のキャロットツアー時に「桜花賞馬になる!」と思ったほどの馬。ただ、それはその場にいたマルオーナーも同様だったみたい。そうだよなぁ…敵は身内にありってことか(笑)。
【母ステファニーズキトゥン】(でぃーぷ)→スタセリタを指名した後に、連続で行こうか考えていましたが、7位なら美味しいですよね。デビューは少し遅れるみたいですけど、まぁ間に合ってくるでしょう。
【母ピラミマ】(でぃーぷ)→こっちは意外と早くなりそうですね。文句なしのイイ馬。
【母ルシュクル】(でぃーぷ)→1位とは…素直に驚きました!! 函館2歳Sで会いましょう。
【母スペシャルグルーヴ】(でぃーぷ)→魅力的な母系に加え、兄もしっかり結果を出しましたし、早期デビューも決定。言うことない条件が揃っていますよね。個人的には友道厩舎の中京デビュー3組は、母アパパネ>母テディーズプロミス>母スペシャルグルーヴでしたが、なかなか甲乙付けがたい3頭だと思います。
【母アロマティコ】(bambam88)→姉に続き、「獲れる」と勝手に思い込んでいました。自分の慢心に、かなり後悔…。だって、もともとbambamオーナーに縁がある馬ですもんね。気性さえ姉に似なければ相当走ると思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
どの馬たちも、まずは無事にデビューの日を迎えられますように…。