昨シーズンは7人中5位(同点)。2年連続の下位ですし、「不本意」な成績であるのは間違いありません。しかし、中身を見てみると13頭が勝ち上がり、阪神JFと皐月賞以外のGⅠには出走。年末近くまでは首位を走っていましたし、まぁ…結果的には「悪くはなかった」かな、と。3歳戦でポイントを稼げなかったのは誤算の連続でしたが、楽しめるシーズンだったのは確かでした。

 その要因としては、以前よりも“速攻”を意識した指名という点が挙げられるでしょう。重賞勝ちはなかったものの、指名馬が重賞に顔を出した回数でいえば、UMASAMURAIメンバーの中でも随一だったのでは?重賞やGⅠは出ることができなければ、当然勝つチャンスはありません。数多くの馬をスタートラインまで送り出せたこと自体は狙い通りだったので、今シーズ ンの指名馬も“速攻”と“重賞出走”を意識することを変えずにチョイスしました。

 今シーズンの指名馬を紹介する前に、まずはドラフトを振り返ろうと思います。ドラフトを採点するなら「60点」ぐらいでしょうか。1位のプロディガルサンは逃したものの、牡馬に関しては欲しい馬をかなり獲ることが出来ました。一方、誤算すぎたのは牝馬…。抽選で2度負け、さらに「この順位なら大丈夫だろう…」という過信の順位付けばかりで、気づいた頃にはリストアップした牝馬がほぼ残っていないという異常事態に。とりわけ、社台・ノーザン系の牝馬を獲れずにドラフト中はパニック状態となりました。「欲しい馬は確実に獲りに行く」という基本理念を再認識させられた今年のドラフト。来年からは、こんなことがないように気を引き締めようと思います!(苦笑)

 さてさて、例年になく前置きが長くなりました。これより、濃密な1年間を共に戦う20頭の“相棒”たちをご紹介します!

 今年のドラフト1位は、過去最多の4人がプロディガルサンに競合。事前に「2人ぐらいの抽選になるかなー」と思っていただけに驚き、そして見事に抽選でハズレました(笑)。ただ、1位に関してはダメだった時のパターンも想定していたのは事実。母マルペンサ、母ナイトマジック、母ゴールデンドックエーと共に 「残っていれば…」と候補にいたのが、この馬でした。ダービーに出走した兄よりも前評判は高くなかったものの、入厩直前に評価がグングン上昇。入厩後も ゲート試験も一発でクリアし、武豊Jを背に阪神芝1800でのデビューも決定しました。「兄よりも母父クロフネが出てる」という評価は、兄に不足していた 力強さを補っている点だと思い、自分自身はプラス要素だと感じています。長いことPOGをやってきましたが、エアグルーヴの血が入った馬を指名したのは初めて。“チュカイらしくない”良血馬が今シーズンのドラ1になりましたが、なんだか新鮮でワクワクする気持ちが生まれています。

 この血統を持つのは2度目。そう、全兄のオリハルコンを指名していました。もともとドラ1位級の逸材だと思って指名した兄ですが、レースを見ると切れ味が なく…かなりヤキモキさせられたことを思い出します。そして、全弟になるこの馬。当初は「兄に似るんだそうな…」と想像していたのですが、POG本に載っているコメントを読む限りでは、「スピードもあって、折り合いも付いて、切れ味もあって、破壊力もある」と。いや、正直ホンマかいな!と半信半疑なんですが(笑)・・・兄のリベンジも兼ねてもう一度、この血統にチャレンジしようと思います。中京でデビュー予定、早めから動けるのもイイですね!

 指名の際に「早っ!」という声がメンバーから聞こえてきましたが、今シーズン最も“獲りたかった”といえば、この馬になるかもしれません。出資している方のブログを頻繁に覗いていたのですが、1歳の頃から牧場サイドの評価が本当に高く、POG本が出る前には「1位で行ってもいいかも!」なんて思ったほど。 全兄のロゴタイプは期間内でこれ以上ない成績を残しましたが、この馬は“兄以上”なんて評価も。函館の短距離からデビューしますが、スピードの絶対値は間 違いないと思うので、2歳Sから朝日杯、そして皐月賞路線へ。徐々に距離を延ばして頂点に立った兄と同様のローテーションで進めることを期待しています。

 当初は獲る予定じゃなかったんですよ。早めのダイワメジャー産駒でいえば、スターオブペルシャやミュゼモーゼス、アストラエンブレムのほうが上だと思っていましたし、この馬もある程度の順位で消えると思っていたので。その評価を一変させてくれたのが、ドラフト2日前に行われた、競馬王のPOGイベント。なんと1位で2人が競合し、抽選で外した“調教捜査官”の井内さんからは「これは朝日杯獲れる」なんてコメントが聞こえてきました。実際に角田師も相当な期待をしているようで、短距離の函館は使わず、早々に阪神開幕週デビューを決断。2歳馬離れしたトンデモない時計を出していますし、能力は間違いないでしょう。生の声が聞けるイベントに参加できた特権を結果で示したいですね。

 兄のロサギガンティアは指名をギリギリまで悩んでいたのと、主戦がヨシトミさんだったこともあり、注目して見ていました。結果的に勝つまではいかなかったものの、能力的にはGⅠ級であると今でも思っています。そして、この馬を管理するのも、兄同様に藤沢厩舎。個人的には、使い方を含めて好みの厩舎ではないんですが、ダンスファンタジア、コディーノ、アヴニールマルシェと相性は悪くありません。この厩舎の馬を指名するなら、早めから使えるタイプを選ぶのが鉄則だと思いますし、東京開幕週から早めに賞金を加算。そして“今度こそ”は満足いく状態でGⅠに挑んで欲しいと思います。

 “銀河系軍団”の国枝厩舎ですが、比べてみると牧場サイドの評価が最も高かったのはこの馬かもしれません。1歳夏に両脚のOCD(離断性骨軟骨症)が見つかったものの、調教が進むにつれて評価が上がるばかり。「国枝師も絶賛」なんて話もありました。各POG本を見ても当然「欲しい!」と思うわけですが、他に獲りたい馬もいて、自分が順位付け出来るとすればこの位置。ドラフト前は正直、「この順位じゃ獲れないだろう」と思っていたんです。しかし、フタを開け てみれば6位まで残っていてくれました!入厩後、ゲート試験に落ち続けていましたが“4度目の正直”でなんとか合格。それに関しては、デビュー前のドゥラメンテもゲート難でしたし、一度合格すればそんなに心配しなくてもいいかな、と。若駒の見極めに厳しい国枝師が放牧に出さず、そのまま東京開催でのデビューを決めたぐらいですし、初戦から評判通りの走りを見せて欲しいと思います。

 見てもらえば分かると思うんですが…ここまで1位から6位まで全て牡馬。この偏りは決して狙っていたわけではなく、ことごとく牝馬を逃してきた結果でし た。ドラフトでも焦りが出て、「そろそろ牝馬の大物を獲っておかないと…」と思い指名したのが、この馬です。正直、当初はリストにもいませんでしたが、あ の前評判の高さがありながら、この順位まで残っているなら美味しい指名だったと思っていいでしょう。個人的には「体重の軽い牝馬は指名しない」という概念 を持っているんですが、キャロット募集時の爆発的な人気と牧場での評価、そして成長力がありそうな血統背景からも、そのセオリーを外しても指名できたこと が正解だったんじゃないかなと思います。

 今シーズンの指名馬20頭中、最多となる3頭を手塚厩舎から指名。これは偶然ではなく、狙い通りのラインナップでした。近年の2歳戦、3歳戦の実績を見て も全国有数の成績を残してきた手塚厩舎。高くない血統レベルで結果を残してきた中、今年はディープ産駒が3頭。ここから1頭は指名しようと思って、この馬 に行き着きました。姉が2歳女王だという血統背景やデビューの早さはもちろんですが、やはり決め手になったのは「ア」から始まる馬名。アルフレード、アユ サン、アジアエクスプレス、そして指名馬のアイムユアーズ・・・そう、手塚厩舎の「ア」から始まる馬名というだけで、走る確率が何十倍にも上がっているん です! この馬自身、もう既に入厩していますし、夏場から確実に走ってきてくれると思います。

 キャロットの募集馬だった兄のジェベルムーサですが、お手頃な募集価格だったこともあり、一時は出資を検討したこともありました。しかし、あまりにもデカすぎる馬体重にビビり、見送った結果が・・・。さて、この馬。小柄なドリームジャーニーの仔であるにも関わらず、500キロ超え。正直、あまり芝で走るイメージが湧かないんですが、牧場の評価を見る限りでは全く問題なさそう。相当な素質を秘めているのは間違いないと思うので、脚元だけが心配。無事に使える ようなら、父の代表産駒になってくれると思います。

 サプレザが日本で繁殖入りしたということで、血統表を眺めている段階から「欲しいなぁ」と思っていたのが、この馬。海外遠征という不利な立場ながら3年連続で上位に入ったマイルCSの走りを見れば、母の日本適性が相当なレベルにあったのは間違いないでしょう。この馬は初仔ですがサイズも問題なく、順調に進んでいるということでひと安心。母の仔は、来年のディープ牝、そして再来年のオルフェーヴルとの仔も含め、ぜひmy血統にしていきたいと思っています! (他メンバーを牽制!笑)

 いやー、どこかで獲られるんじゃないかとヒヤヒヤしてました!やっぱり、欲しい馬はしっかり獲らないと心臓に悪いです(笑)。この馬に関しては、過去に指名したアイムユアーズと同じイメージ。函館デビューも決まっていますし、手塚厩舎が得意とするタイプの馬だと思います。全姉のエピセアロームはクラシック路線を湧かせ、古馬になってからも短距離戦線で息の長い活躍を見せました。この馬も早いうちに2歳Sで賞金を加算し、阪神JFや桜花賞に余裕を持って挑んで欲しい。同じ手塚厩舎で「ア」から始まるアイムユアーズは、GⅠのタイトルを獲ることは叶いませんでした。その夢の続きを見せて欲しいですね。

 「えっ、この順位まで残ってます!? そしたら、獲らせていただきますよ!」的な指名。とっても美味しかったと思います。この世代は“1オーナーにつき1頭”の制限を持っている角居厩舎だけあって、管理予定馬の豪華さは相当なレベル。UMASAMURAIでも続々と指名されていきましたが、早期で入厩し、しかもPOG取材を受けない厩舎ということで情報の少なさがここまで残った要因でしょうか。この世代から冠名を廃止した「トーセン」の島川オーナーですが、恐らく1番馬だと考えられるのがこの馬。早期に入厩し“英才教育”を受けるのは、角居厩舎の期待馬に対する扱いの黄金パターン。いや、さすがコレは安心してクラシックに乗ってきてくれると思いますよ。

 エーシントップでお世話になった西園先生ですが、短距離馬の扱いに関しては間違いなく日本有数。そして、評価の高い馬がそのまま走るイメージを持っています。で、この馬なんですが、師と牧場サイドの期待度がハンパなく、入厩前からデビュー戦も決定(結果、変更になりましたが)。んで、入れてみたらゲート試験から噂通りの快速を見せているとの事。「芝で走れたら面白い」と思って指名したエーシントップ同様、この馬も芝適性があれば相当な荒稼ぎが期待できると思います。まっ、芝が無理でも最悪ダートで2勝は間違いない。とても確実性が高い1頭でしょう。

 おかえり、エリモピクシー!(笑)。 過去に大変お世話になった母の仔ですが、最近では他オーナーが上位で次々と指名し、なかなか縁がありませんでした。自分好みの仔がなかなか出ず、これから先も指名することはないかも…なんて思っていたら、この順位で再びの再会ですか。いやぁ、驚きです。とはいえ、この馬も当初はリスト外。当然、指名するつもりもありませんでした。しかし、続々と牝馬が消え、この直前で“大本命”のヨシノザクラも獲られ・・・焦って焦ってPOG本のディープインパクトの産駒リストを眺める始末(苦笑)。「あぁ、エリモピクシーが残ってるのか」なんて思いながら、クラブのサイトで近況を確認すると『胃潰瘍でペースダウン』なんて文字。「うーん、さすがにコレは…」なんて思いましたが、最後は血統の力を信じて指名することに。当初は年明けデビューも意識していたんですが、最新の近況によると早くも坂路入りも再開。そして、休ませたことで、課題だった馬体重がしっかり増え、パワーアップしてきたと。おぉ、たった1週間ぐらいで何から何までプラスに働いているじゃないですか!(笑)。もともと好きな血統でありますし、こうなるとめちゃくちゃ愛着が湧いてきました。最高のタイミングで 指名できたことに、勝手に運命を感じています。

 2頭目の指名となる、藤沢厩舎のダイワメジャー産駒。当初はこの馬も獲るつもりはなかったんですが、この順位まで残っているとなると見逃すわけにはいきませんでした。500万から準オープンまで衝撃的な走りを見せた母ですが、あの時に見せたキレとスピードは、シンボリクリスエス産駒のイメージからはかけ離 れたもの。大成は出来ませんでしたが、GⅠを狙えるだけの能力を秘めていたと思います。そんな母の初仔になる本馬ですが、育成段階でも非常に順調に来て、 サイズ的にも問題なし。秋の東京あたりから始動するイメージでしたが、もう少し早くから使えそうな点も魅力。あの横手厩舎長も褒めているようですし、この 世代のキャロットの募集馬の中でもトップを争うような活躍を残してくれると思います。個人的には、クラシック路線ではなくNHKマイルC狙いで。

 大好きな橋口先生も、この世代がラストイヤー。1頭だけでも指名したいと思っていましたが、なかなか情報が出ず…。競馬王のPOGイベントでも、意を決して井内さんに質問してみたんです。ただ、「橋口先生は『引退する調教師から話なんて聞くもんじゃないぞ』って、2歳馬の情報を教えてもらえないんですよね (笑)」と返答され、目論みは大きくハズレ・・・。こうなると、自力でラストイヤーに相応しい馬を探すしかありません。で、この馬。実は、GallopのPOGイベントに参加した際に、板津記者から「橋口厩舎」なんて情報が出て来たんです。その後、改めてPOG本を眺めてみると、下河辺牧場の中でも、牝馬でトップクラスの扱いを受けていることが判明。しかも、血統表を見ると「橋口先生と相性が良さそうだなぁ」とイメージが湧いてきたんです。父のキングカメハメハからはローズキングダムを管理し、母父のアグネスタキオンからはロジックを管理。どちらも大種牡馬なのでGⅠ馬を出すのは当たり前なんですが、それ を共に橋口先生が管理していたというのは、ただの偶然ではないような気がします。POG本の情報を見る限りでは、牧場でのペースはそこまで早い感じではなさそう。しかし、何とか阪神JFには間に合って欲しい。そう簡単なことではありませんが、橋口先生の最後のGⅠ制覇をプレゼントできたら・・・そんな夢も少しだけ抱いています。

 何回も書きますが、とにかく牝馬不足に陥った今年のドラフト。この後紹介する18~20位までの3頭の指名は事前に固めていたため、自由に選択できるのは この順位でが最後でした。母ワイ、母スプリングレイン、母ピラミマ、母エービーヌードル、久々のエイシン-藤原英ラインの母Christine Daae、それに加えて母ヘヴンリーロマンス、母ミスパスカリ、母ムーンレディなど、評判馬やリストに残っている大物牡馬もまだ残っている状況。どの馬を指名するか、本気で悩んだんです。ただ、指名馬一覧を眺めてみると、どうしても目に付いたのが、層の薄い“牝馬”。ということで、ここで牡馬のことは忘れ、何とか牝馬の確保に挑みました。その中で選んだのが、この馬。評価したのは、やはり“デビューの早さ”だったんです。かなり早い段階から「6/14 東京芝1600を戸崎Jで」という話も出ていて、GallopのPOGドラフトでは板津記者(またこの人…笑)が「須貝師が『並の牝馬じゃない』と評価していた」なんて情報を出してくれました。まぁ、単純に須貝厩舎の馬も早いデビューのほうが走っていますし、師の評価も合わせ持っているとなれば、牝馬の ピースとしては最適だと判断しました。贅沢は言いません、レッドリヴェールの半分ぐらい活躍してくれれば(笑)。

 この馬の評判を聞くと、何とも複雑な気持ちになります。というのも、この馬の母は自分の出資馬でもあったからです。「母馬優先」なんて制度が定着してきたキャロットクラブですが、この馬を含めて母ライツェントの仔は初仔以外全てセレクトセール行き。。。いや、本当に勘弁して欲しいです(泣)。ただまぁ、そんな事を嘆いても仕方ない。この馬は“ファルブラヴ×馬主ユアストーリー×手塚師”がアイムユアーズと全く一緒、そして函館デビューという点も共通しています。いつかこの血統が手元に戻ってくることを祈って、まずはPOGで応援しようと思います。

 出資馬です。デビューは福島を予定。上は全然走っていませんが、この馬はスピード感があって好印象。この世代のキャロット馬の中で入厩第1号ですし、早い時期から何とか1つ勝って欲しいと思います。

 こちらも出資馬。最近の馬体を見ていただきたいんですが、とにかく光り輝いていて、筋骨隆々。とても2歳馬とは思えないような風貌をしています。血統的にも、そして馬体を見てもダート向きなのは間違いありません。馬名を含め、過去の出資馬の中でも特別な期待感を抱いている1頭です。

 さぁ、ということで、20頭の指名馬紹介が終了。果たして、ここまでスムーズに読んでくれた人はいるんでしょうか…。間違いなく、過去の中でも最も文字数が多いかと(汗)。
 牝馬が少なかったり、やたらマイラーが多かったり、関東馬のほうが多かったり・・・まぁ色々と偏りがある今シーズンの指名馬たちですが、全力で応援し、久々の優勝を狙ってみようと思います!

 8000文字もの文章を書いた自分に、そしてここまで読んでいただいた方に本当に感謝します! どうもありがとうございました!

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