UMASAURAI発足以来3連覇し、敵なし状態だったのが一転…。オークス終了時点でブービーという結果の昨シーズン。だがしかし、全く悲観していません。
POGの1つの目安としている「勝ち上がり数」はトップ。さらに、指名予定だったトーセンスターダムやレッドリヴェール、ワンアンドオンリーが獲れていれば優勝でしょ。昨シーズンを総括すると“くじ運”と“指名馬の故障”に尽きるでしょう。
で、今年のドラフト。成績が悪かったからといって、方針を変えるのは自分らしさを失うことになりますので、それは無しで。ただ、“時代の変化”を無視するのも愚かなこと。今まで培った指名フィルターは充分に生かしつつ、エッセンスを加えた指名を心がけました。
そのエッセンスは「速攻」。俗に言う「早期デビュー組」です。イスラボニータ、レッドリヴェール、ハープスターあたりを挙げるまでもなく、今のPOGは、早期デビュー馬がそのままクラシックまで勢いが持ってしまうもの。牧場・厩舎サイドともに、その傾向が明らかに強まっている現2歳世代。その流れを汲んだ指名になっています。
ドラフト結果は「130点」。当初指名予定だった馬を獲られてしまった“誤算”はあるものの、その何十倍も獲りたい馬を確保できました。ドラフト前は、「上位2頭が獲れれば95点」とさえ思っていたので、本当に嬉しい限りです。
さぁ、前置きが長くなりました。今シーズンを一緒に戦う、愛すべき20頭の指名理由をご紹介します!
【1位 アッシュゴールド(父ステイゴールド、母オリエンタルアート) 牡、池江】
この馬の1位指名は、昨年のうちから宣言済み。3人競合の抽選を経ての獲得で、愛情が勝った結果を示すことが出来ました。今さら説明不要の良血馬。育成が社台Fに変わったものの、ステイゴールド産駒での成績を見ても問題ないでしょうし、厩舎スタッフもこの血統への扱いはお手のもの。オルフェーヴル以来の指名になりますが、「(兄の)リヤンドファミユぐらい走ってくれればいいや」と、過度に入れ込まず見守ろうと思います。
【2位 タッチングスピーチ(父ディープインパクト、母リッスン) 牝、石坂】
この世代の馬の中で、素直に「一番走る!」と思ったのが、この馬。そして、最も欲しかった馬でもあります。ただ、世間での人気を考慮すると2位指名での獲得はまず無理。「獲れたら奇跡」とさえ思っていたので、本当に驚き、嬉しかった獲得でした。ディープ×サドラーの配合が不安視されてますが、姉は Danehill Dancer産駒で千二を勝ってるんですよ。母系の活躍馬はみんなマイル以下で走ってるんですよ。サンデーRで石坂厩舎ですよ。募集額6000万ですよ。ねっ、走らん訳がないでしょう!
【3位 アヴニールマルシェ(父ディープインパクト、母ヴィートマルシェ) 牡、藤沢和】
私のPOGは、大振りせずアベレージヒッター狙いが基本。その点を踏まえると、この馬は的確に当てはまるのではないでしょうか。早期デビューが確定し、トレセンでも評判になるほどの動き、姉サンブルエミューズと兄グレナティアーズは期間内オープン入り。そして何より、キャロットで藤沢厩舎入りというのは単純に期待の表れと考えられます。評判馬が集まるレースでの初陣となりそうですが、初戦から結果を残してくれるでしょう。
【4位 サンマルティン(父ハービンジャー、母ディアデラノビア) 牡、国枝】
メンバー的には「この順位でハービンジャー!?」という感じでしたが、馬そのものを評価すると、当然の選択です。厳しいジャッジをする国枝師が開幕週から出走させることを選択しただけでも指名の価値アリ。重さが気になる父の産駒の中でも、ピリッとした気性がむしろ2歳戦に向きそう。そろそろ大物が出そうな 母の仔ですし、初戦から能力全開でクラシックまで突っ走ってくれるでしょう。
【5位 カービングパス(父ハービンジャー、母ハッピーパス) 牝、藤沢和】
この順位で2頭目の藤沢厩舎、2頭目のハービンジャーです(笑)。母の仔はコディーノ以来、2頭目の指名になりますが、前評判は兄を彷彿とさせるもの。とにかく計算できる血統ですし、何を付けても走る馬を出すので父替わりは全く問題ないでしょう。NF早来・日下厩舎の三本柱のうち2頭を獲れたことに大満足ですし、牧場サイドの期待通りに、まずは暮れのGⅠへ進めるように。そして、闘病生活を送る兄に良い知らせを届けてほしいと思います。
【6位 グリュイエール(父ディープインパクト、母ウィンターコスモス) 牡、藤原英】
母は元指名馬。芦毛のディープ産駒で血統面でも目立つ存在ではないものの、各POG媒体でもマイナスの評価が一切なく、「課題がない」という類のコメントが印象的でした。近年タッグを組むようになった“藤原英×金子真人HD”のラインは、ウリウリ、フィエロ、そして現3歳のリリコイパイと好相性。ディープ産駒に限れば、3頭中3頭がオープン入りですから、これは文句なしで走ってくるでしょう。牡馬クラシックを狙う上でも欲しかった馬ですし、獲れてホッとしました。
【7位 リミットブレイク(父サクラバクシンオー、母マザーウェル) 牡、尾関】
父のラストクロップ。そして、この馬は美浦で最も動いている2歳ですし、開幕初日のデビュー戦ではグリグリの印を集めそうです。父の産駒の中でも、母系の “シンボリクリスエス×シンコウラブリイ”という部分が底力を生み出し、マイルぐらいまではこなせそうな印象。尾関厩舎も2歳戦からガンガン結果を残す厩舎ですし、新潟2歳Sや京王杯あたりで賞金を加算し、暮れの阪神へ乗り込む・・・そこまでのイメージを既に描いています。
【8位 サトノシャルマン(父ディープインパクト、母サクラサクⅡ) 牝、藤原英】
エイジアンウインズにエバーブロッサムと、牝馬で活躍馬を出している母の産駒。吉田照哉氏の強気なコメントとドラフト直前の入厩情報もあり、指名に至りました。藤原英師はPOG取材を受けないため、どうしても“良血馬”が人気になりやすい傾向にありますが、早期入厩組を狙うのが勝ちパターンだと思っていま す。阪神や中京開催でデビューし、秋口まで待機。そこから暮れに向けてポンポンと勢いをつけて進んで行ってくれることでしょう。
【8位 サトノシャルマン(父ディープインパクト、母サクラサクⅡ) 牝、藤原英】
エイジアンウインズにエバーブロッサムと、牝馬で活躍馬を出している母の産駒。吉田照哉氏の強気なコメントとドラフト直前の入厩情報もあり、指名に至りました。藤原英師はPOG取材を受けないため、どうしても“良血馬”が人気になりやすい傾向にありますが、早期入厩組を狙うのが勝ちパターンだと思っていま す。阪神や中京開催でデビューし、秋口まで待機。そこから暮れに向けてポンポンと勢いをつけて進んで行ってくれることでしょう。
【10位 アグスタ(父ゼンノロブロイ、母ソニンク) 牡、田村】
数えてみれば、6頭目の指名となる母の産駒。ヴァイスハイトとライツェントには実際に出資もしましたし、とにかく思い入れのある血統です。この馬自身、 “母の代表産駒”なんて言われていますが、正直あまりピンと来ていません(笑)。でも、言うまでもなく、とにかく走る血統ですし、馬主さんも厩舎も、ましてや父も関係ないでしょう。久々の関東所属ですので、競馬場に応援に行きたいと思います!
【12位 スペリオルラスター(父ハーツクライ、母スペリオルパール) 牡、須貝】
本当はベルラップを獲ろうと思っていましたが、獲得に失敗した場合にこの馬へシフトチェンジをしようと作戦を立てていました。デビューが早い分、ベルラップを優先したものの、当初から評価をしていたのはこの馬のほう。須貝厩舎とハーツクライ産駒の相性に、パシフィカスへ通じる筋の通った血統からの底力。リニューアルしたシルクHCには魅力的な馬が多数揃っていますが、真打ちはこの馬になってもおかしくないでしょう。
【13位 アールブリュット(父Makfi、母イグジビットワン) 牝、戸田】
エクシードリミッツの獲得失敗は誤算でしたが、その場合は路線が同じこの馬で迎え撃とうと想定していました。キャロットでもなかなか満口にならず、そこそこの時期まで残っていた馬。しかし、今年に入ってからの成長速度は本当に見事なものでした。2位指名のタッチングスピーチ、5位指名のカービングパスと同じNF早来・日下厩舎にて、どのPOG本を読んでも良血馬と全く遜色がないコメント。血統面で未知な所はありますが、評判通りのスピードで函館デビューから2歳Sまで一気に突っ走って欲しいと思います。
【14位 ヴァルディスーザ(父ダイワメジャー 、母バルドネキア) 牡、橋口】
【16位 ダノンメジャー(父ダイワメジャー、母ヴィヤダーナ) 牡、橋口】
新シーズンのPOGにおいて、とても大きな変更点が「朝日杯の阪神開催への移動」。これにより、「関西の牡馬」で「マイラー」という要素を合わせ持つ馬を今まで以上に注目しなければなりません。これがクラシックを戦う最後の世代となる橋口厩舎ですが、王道路線の馬はもちろん、POG期間内におけるマイル路線でも突出した実績を誇ります。最初はこの2頭のダイワメジャー産駒のうち、どちらを指名するか本当に悩みましたが、甲乙付けがたいほど気に入ってしまいました(笑)。橋口センセイには本当にお世話になりましたし、感謝の意味を込めての2頭獲り。ともに早期始動が期待できますし、育成段階での評価も相当なもの。路線は重なるかもしれませんが、朝日杯とNHKマイルCを経由して、2頭揃って橋口センセイの最後のダービーに挑んでほしいと思います。
【15位 エイムハイ(父ディープインパクト、母サンドリオン) 牡、安田)】
母の産駒は初仔から3頭連続指名。待望の牡馬、そして父にディープインパクトを迎えたのがこの馬です。現役時代から注目していた母の産駒ですが、姉は体質の弱さが気になりました。その点、この馬は順調で、雄大な馬体。さらに牧場サイドのコメントを読んでも、大物の気配が感じられます。この血統を指名し続けて、ようやく現れた“大器”。3年分の期待を込めて、デビューの日を心待ちにしています。
【17位 カンデラ(父ダイワメジャー、母リアルナンバー) 牝、手塚】
「馬主:ユアストーリー、厩舎:手塚、生産:ノーザンファーム、性別:牝馬」。これは、過去の指名馬でもあるアイムユアーズと同じ組み合わせになります。 馬三郎POGタブロイドでプロフィールが紹介された際に、もう無条件で指名を確定させました。もはやPOGシーズンに欠かすことができない手塚厩舎の所属 で、しかも早期デビューを予定。2歳戦からクラシック、古馬になっても活躍したアイムユアーズのように。いや、その半分でもいいので、ターフを賑わせてほしいと思います。そうそう、アイムユアーズの初年度のお相手はディープインパクト。もちろん、初仔から指名しますので、コレを読んだメンバーは遠慮するように!(笑)
【18位 サウスキャロライナ(父ステイゴールド、母アシュレイリバー) 牝、鹿戸】
GallopのPOGドラフト会議にて、評価の高かった1頭。参加した3記者全員の指名リストにも名前が載っていました。完全に評判を鵜呑みにしての指名になりますが、なにより順調に来ている点を評価しました。既に2回函館の芝1800を三浦騎手で予定と、デビュー戦まで決定。社台グループ以外の生産で、 特別な良血でない牝馬にも関わらず、セレクトセールで高評価(4100万)されていた馬ですし、掘り出しモノを見つけたような気分です。
【19位 ブロードキャスト(父ディープインパクト、母アジアンミーティア) 牡、中竹】
いやー、獲る予定なかったんですよ。後述しますが、この順位で獲る予定だった馬がいたんです。それを覆してまで指名しました(してしまいました)。ただ、 やっぱりいい馬なんです。この世代のディープ産駒の血統を眺めていた時から、常に気になる馬でしたので、結果オーライになることを期待しています。“確実性”を考えると、相当なスピードがありそうなこの馬は、新設の朝日杯にピッタリ。UMAJINのPOG本を読んだ際に、「大山ヒルズの坂路で42秒3を記録」という、どの馬よりも速いタイムを叩き出していた取材記事が指名を後押ししてくれました。全姉カレイドスコープのリベンジも期待しています。
【20位 イッツマイン(父Medician、母ミーⅡ) 牝、安田】
キャロットクラブでの出資馬になります。育成段階でネガティブなコメントは一切なく、順調に入厩、そしてデビュー戦が間近に迫ってきました。とにかく毎回の近況更新を楽しみにしていた馬で、名前と愛くるしいルックスを含め、大好きな1頭。指名はしませんでしたが、この世代のもう1頭の出資馬であるシェーンハイトと一緒に、活躍を祈っています。
もしかしたら、今までで最も長い指名理由になったのではないでしょうか。お読みいただいた方、本当にありがとうございます。そして、本当にお疲れ様でした(笑)。最後にウラ話を書かせていただきます。
実は、母Pata Fresca(父Half Ours)というマル外の牡馬が手塚厩舎(アジアエクスプレスと同じ馬場オーナー!)に入るという話をGallopのドラフト会議で仕入れ、指名を確定させていました。プロフィール以上に、セールでの試走映像(http://obssales.com/marcatalog/2014/317.mp4)を見て、その走りに心を奪われたからです。ドラフトの流れ?で、なぜかブロードキャストと入れ替わってしまいましたが、今でも多少後悔が残っています (笑)。この馬が活躍した場合、悔しくてたまらなくなるでしょうが、自分の当たっていたのかどうかも含め、“影の指名馬”として注目&応援したいと思います。(過去にも何度か同じような事がありましたが、たいてい後悔する結果になってるんだよなぁ…。男は初志貫徹じゃなきゃいけませんね!笑)