今回は2013-2014シーズンの“相棒”たちの指名理由をご紹介します。

 昨シーズンのドラフト前は、目標設定をどこに置くか悩みました。それでも、結果的には優勝することができ、3連覇を達成。GⅠは勝てなかったものの、“全員野球”で残すことができた結果に、非常に満足感を覚え、またPOGの楽しさを改めて感じることができました。

 3連覇を達成するためには「運」も必要ですが、指名馬に対するブレのない判断が生きているからこそ、結果を残せていると思います。今シーズンの指名馬たちも、すべて自分のフィルターを通過している馬。競馬王のPOG公開ドラフトへの参加で評価が上がった馬もいますが、もともと全く評価をしていなかった馬を指名することはせず、直前情報を上乗せした形に。

 20頭を見渡してみると、コツコツ二塁打を狙う、自分らしい堅実なラインナップを揃えることができたんじゃないかと思っています。

「ダービーを狙って三振するぐらいなら、朝日杯を目指せる馬を」
「オークス狙いの牝馬は無視し、マイルが適距離のイメージで」
「ダートや短距離を恐れず、期間内2勝を挙げられる馬を重要視」
そして、何より重視しているのが「早期始動」と「厩舎」と「牧場」

 ドラフトから少し時間が経ちましたが、自分の感覚を大事に4連覇を目指すために満足感のある指名ができたと自負しています。(唯一残念だったのは、橋口厩舎の馬を獲ることができなかった点のみ)
 例年通り2歳戦線を沸かし、ある程度の層の厚さでクラシックに殴り込むイメージ。全員野球でシーズンを戦う、厳選の20頭を指名理由とともに紹介します。

 1度は指名したかった血統。ようやく、レーヴドスカーの仔と縁を持つことができました。最後まで1位をどれにしようか悩んでいたけど、競馬王POGドラフ トでも3人が競合した経緯もあり、また堅実さを象徴するような血統でもあり、牝馬ながら1位で指名する決断に至りました。直前に仕入れた「函館デビューを 視野に」という情報も背中を押してくれました。恐らく、世間の人気ナンバーワン。抽選の上、獲れて良かったと心から思います。<目標:阪神JF>

 母アドマイヤキラメキとの抽選で敗れたものの、それは想定内。この順位でディープの有力牡馬を指名しようと考えていたので、この馬が残っていてくれたのは本当に助かりました。全兄3頭は全て重賞を勝っていますし、レーヴドスカーに負けず劣らずの堅実血統。それに加え、新潟デビューも見えてくるほどの順調さも頼もしい所。2歳戦で賞金を加算し、早々とクラシックの権利を掴んで欲しいと思います。<目標:皐月賞>

 POG本が出る前までは、今年の1位はこの馬に決めていました。しかし、移動が早かった点が功を奏し、他のディープ牡馬に比べて露出が少なかったため、この順位で獲得することができました。姉のヴィルジニアはGalileo産駒であそこまで走れるんだから…父が替わるのがプラスにならない訳がないでしょう。池江厩舎の名馬の条件である新潟デビューから、クラシックへ。良血馬が勢ぞろいする名門厩舎の中でも、いちばんの成績を残して欲しいです。<目標:東スポ杯2歳S>

 思ったよりも露出が多く、見た目もカッコイイし、「人気になるだろうなー」と思ってました。それが、この順位でも獲れたのは正直ビックリ。函館デビューを明言しているほど順調に進んでいる馬ですが、同時に気性の危うさも各POG媒体で指摘されています。人気先行の裏に不安要素がない訳ではありませんが、それさえもプラスの力に変えてほしい。そして、アドマイヤ復活の狼煙を上げていただきましょう。<目標:札幌2歳S>

 ここまで牡馬を順調に獲ることができたので、そろそろ牝馬を。最高級の評価をしていた母ダイワスカーレットこそ逃したものの、「残っていたらラッキー」と思っていた、この馬の指名に成功しました。どうも自分は音無厩舎の牝馬を信用していないんですが、今までにない意欲のある早期始動と、あまりにも溺愛している師の様子から“これは違う!”と予感。早々に中京でデビューしますし、まずは暮れの阪神を狙ってみましょうか。<目標:阪神JF>

 第80回ダービートレーナーの、世代ナンバーワン馬を指名することができました。「同時期のキズナより上」なんて極上のリップサービスも飛び出しています が、基本的に佐々木先生が吹いた馬は“買い”。インティライミを担当した腕利き厩務員さんがこの馬を担当されるそうで、「現状の薄い馬体を食わせてパワーアップさせる」と意気込んでいるのも頼もしい。ドラフトがダービー終了後だったら、この順位では獲れなかったでしょうし、お得な指名になったと思います。 <目標:京都新聞杯>

 競馬王のPOGドラフトで飛び出した、「牧場関係者がモノが違う!と絶賛している」という情報。確かに、POG本でも高評価されていた馬でしたが、想像以上の期待度の高さに驚かされました。基本的に、角居厩舎の早期入厩馬は期待の表れだし、早々のゲート試験合格から、新潟デビューも確定。良血ひしめく厩舎内でも最優先に扱ってもらえるように、初戦から結果を出したいですね。<目標:阪神JF>

 いやー、獲れて本当に良かった!個人的にはすごく高い評価をしていた馬ですが、他馬との兼ね合いもあり、この順位に。ドラフトが進むごとにハラハラしていましたが、本当によく残っていてくれました。思っていたよりも早いイメージで育成は進んでいて、もうすでに入厩済。国枝厩舎の早期デビュー馬への手腕は確かなものがありますし、早く動けるというのは大きなプラス材料。同じクラブ馬でパララサルーが出ていますが、この馬にはそれ以上のイメージを膨らませています。<目標:阪神JF>

 母の仔は4年連続指名。この血統でこの厩舎という点、そして吉田照哉氏がしっかり半持ちしている点ということも含め、走りそうな匂いがプンプン漂ってきます。個人的にホワイトマズルが好きで、「当歳(当時)のダンスインザムードの仔、すごいって評判なんですよ!」と社台スタリオンのスタッフの方に聞いた話が、今でも印象に残っています。結果的にもう入厩することになりましたし、アクシデントがあった兄とは順調さも違います。この順位で獲れてよかった!<目標:ダービー>

 いやー、もっと早くに消えると思ったんですけどね。栄進の外国産馬は、エーシントップの活躍より、エーシンマックスのハズレがインパクトを与えた感じでしょうか。ただ、個人的にはエーシントップで結果を出してくれたラインだし、コメントを読んでいても牧場サイドと西園師の力の入れ方がビシビシと伝わって きます。故・平井豊光オーナーに殊勲の報告ができるような活躍を。デビュー時期が早まりそうな点から、期待値も急上昇しています。<目標:ダービー>

 ずーっと指名し続けている、大好きなソニンク産駒。好き過ぎて、一口馬主でも母の仔を2頭も持っていました(笑)。この一族の魅力は、何といっても祖母Sonic Ladyから伝わる圧倒的なスピード。兄のノーザンリバーはアーリントンC後に色気を出して皐月賞→ダービーと進みましたが、一族の適正距離はマイル前 後。この馬にはクラシックを無視して、朝日杯とNHKマイルCのみを狙って欲しいと思います。<目標:朝日杯FS>

 全兄サンカルロを完全にイメージしての指名。母の仔は堅実に走っていますが、個人的にはその中で唯一の未勝利であるディオルーチェを、 UMASAMURAI初年度に指名しています。そのリベンジという点もありますが、POG期間内で唯一勝っていない朝日杯を獲りに行くべく指名でもあります。大久保先生の引退前に大きなタイトルをプレゼントできるような馬になって欲しい! 早期デビューできそうなのも大きな強調点でしょう。<目標:朝日杯FS>

 この馬もよくこの順位まで残っていましたね。競馬王POGドラフトの際には、NF早来・横手厩舎長の「母ハッピーパスや母ジェダイトよりいい。ウチのキンカメでナンバーワン」というコメントも飛び出し、軽く場内が沸きました。コディーノを指名していましたから、本来なら弟も獲りに行くべきなんでしょうけど、あえてこちらの方を上に評価しました。池江軍団の中では地味に見えますが、文句なしのダイナカール一族。早めに動けそうですし、2歳戦線から徐々に距離を延ばし、クラシックへ。昨年のラブリーデイをパワーアップさせたイメージで。<目標:皐月賞>

 堅実に走る、母の産駒。特に藤原英厩舎に入った兄姉たちの活躍は言うまでもありません。競馬王POGドラフトの際には「もう入厩目前」なんて情報もありましたが、あれよという間に栗東まで来てしまいました。社台系以外の牧場の馬は、どんなに評判が良くてもこの順位まで残ってしまうんですよね。スピード感もあり、そして堅実な血統。言うまでもないトップトレーナーの管理馬ですし、確実に結果を残してくれるでしょう。<目標:きさらぎ賞>

 ドラフト前々日に行われた、千葉セールから1F最速時計&最高価格馬を指名。今年は千葉セールから1頭は獲りたいと思っていましたが、想像以上に値段も跳ね上がり、この馬を獲られるんじゃないか…とヒヤヒヤしていました。しかし、ドラフトで他オーナーの反応は「誰、その馬?」って感じ。うーん、誰も知らないとは思わなかった。落札者を見た時に「国枝厩舎に入ればいいなぁ」と思っていたけど、その通りになったのも嬉しい。1コ下の弟はクラブで高額募集。この血統、早くから目を付けていますからね!<目標:オークス>

 狙っていた母ディソサードが指名され、須貝厩舎の牝馬枠をこちらに切り替え。ただ、プロフィール的にはこの馬も本当に魅力的。ハーツクライ産駒で結果を出し続けている大和屋暁氏の所有馬ですし、須貝師の評価も非常に高いモノがあります。そして、入厩も果たし、ここまで本当に順調。過去にクラフトミラージュやラヴォランテを指名していた、思い入れのあるワーキングウーマンの一族ですし、可愛らしい見た目も含め、すごく愛着を持つ1頭になりそうです。<目標: 阪神JF>

 矢作師、60万ドル、牧場の評判も高く、プロフィール的にはかなり点数が高い馬。しかし、間違いなく路線はダートになるでしょう。自分的には、POGで ダート馬を指名することに抵抗はなく、「2勝をしてくれればいい」というスタンス。ただ、この馬はそれ以上の全日本2歳優駿やヒヤシンスS、果てはUAEダービーまで夢を見たくなります。自分の指名馬としては、ゲンテンである程度の結果を出してくれた矢作厩舎のマル外ですが、それの上を行く活躍を期待しています。<目標:UAEダービー>

 今年の初出走&初勝利はこの馬で間違いないでしょう。調教に跨った福永騎手も絶賛したようですし、短距離戦線で相当の活躍を期待しています。血統面からもダート寄りに見えますが、エーシントップ同様に芝をこなしてくれることができれば、かなり稼いでくれそう。競馬王のPOGドラフトでも、現場サイドでかなりいい話を聞くことができましたし、この馬と母Ice Mintの2頭で、「栄進×西園厩舎」のブランド化を更に決定づけてくれると思います。<目標:小倉2歳S>

 姉のシャスターデイジーに続き、2年連続で母の仔を指名。これは趣味枠になりますが、未完の大器で終わってしまった母は絶対に大物を出してくれると思っています。姉は新馬戦で勝ってくれたものの、馬体重で苦しみました。その点、2番仔の本馬は500キロを超える逞しい馬体。使い減りの心配をせず、1戦1戦成長して欲しいと思います。<目標:エルフィンS>

 最後の1頭は、一口出資しているこの馬に。POG指名馬でもありますが、実際の愛馬でもあります。故障とは無縁の競走生活を送って欲しいと思います。

 以上が全20頭の指名理由になります。今年は力を入れて書き過ぎました(笑)。
 どの馬も故障とは無縁で1年間楽しませて欲しいと思います。

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