今回は2012-2013シーズンの“相棒”たちの指名理由をご紹介します。

 指名理由を書く前に触れておきたいこと。
 ブエナビスタ、オルフェーヴル、そしてディープブリランテ(ドラフトはダービー前)。
 活躍馬が出るのも、ダービーを勝つのも、もちろん優勝するのも嬉しいんですが、POGで少々「燃え尽き症候群」的な感じ。次の目標をどこに置いていいのか非常に悩ましくなってしまいました。
 そして、今回のシーズン前に指名馬の検討をするうちに、自分の中で「手応え」を求めたくなりました。それは、過去にチューニーやスズカマンボを指名したような興奮を再び・・・という訳で、今シーズンの指名馬は自分の好みの馬たちが随所に詰まっています。

 今回のドラフトは「90点」。ディープインパクトの牡馬は1頭も居ませんが、各種牡馬のA級素材たちを指名できた自負があります。牝馬はたった6頭しか居ません。エアグルーヴこそ逃したものの、指名した牝馬はどれも素晴らしい馬たちだと思っているので、これで十分です。

 みんなが牡馬の有力馬を狙っている隙に、上位で牝馬の実力派を獲り、5位以降の順位で地味ながらも充実した牡馬たちを指名できたと思っています。そして、ラストクロップであるアグネスタキオンの産駒は最多の5頭を指名。そのどれもが、自分のタキオンの理想図である“マイルをこなせるスピードがある馬”を獲得できたと思っています。

 そして、今年こだわったのは“速攻”。開幕週が早まったことで、早期に賞金を稼いでいた馬がクラシックに向けてより有利な状況になったと思います。半分以上の指名馬が既に入厩済(笑)。今まで唯一勝っていない朝日杯を獲りたいのもありますし、2歳戦線を席巻し、そのままクラシックに乗り込みたいと思います。

 まぁ、最初に色んなことを書きましたが、結果的に3連覇できればいいですね。勝負事である以上、“負け”だけは絶対に嫌なので。各媒体で紹介されている“エース級”の馬は居ませんが、みんなでコツコツとヒットを積み重ね、全員野球で結果を残したいと思います。それでは、厳選した20頭の相棒たちの指名理由をご覧ください。

 当初の1位はエアグルーヴだったのですが、抽選負け。「外れ1位」はもともと何頭か想定していましたが、その中でも欲しかった馬が残ってくれていました。「初仔、2番仔ともに重賞ウイナー」ということで、この血統に文句をつける人は居ないでしょう。自分としてもリディルでお世話になりましたし、橋口さんの “最有力馬”を指名できて大満足。もう既に入厩目前ですし、兄同様の軌跡を辿って欲しい。オーナー、育成先が変わったことで多少の不安こそあるものの、そんなのは杞憂に終わると信じています。<目標:朝日杯FS>

 エアグルーヴは別格として、牝馬で最も欲しかったのはこの馬。姉のノーブルジュエリーのデビュー戦を見れば、どれだけポテンシャルを秘めている血統か説明はいらないでしょう。それに加え、牧場サイドの評判も上々ですし、1コ下の弟が社台のディープ最高価格であることが示すように、今後の社台ファームの期待を背負っていくであろう母の産駒という点も魅力です。「2位じゃなくても…」と思う人も居るでしょうが、確実に獲りに行きたかった。正直、自信ありありの1頭です。<目標:桜花賞>

 どのPOG本を読んでも絶賛の嵐ということで、とにかく驚きました。この馬以上の評判を得ている馬はそうそういませんし、それだけ出来がいい証拠でしょ う。コメント通りであれば、当然大きな舞台を意識したくなりますし、Danehill系の欧州血統牝馬ということで、ファインモーションがチラ付きます。 札幌での夏のデビュー戦が今か今かと楽しみです。<目標:オークス>

 正直、あまり得意な厩舎ではないものの、林正道オーナー所有馬ということで、上位で指名しました。こちらも牧場サイドの評判がいいですし、初仔のラシンティランテや近親のトーセンホマレボシ、ヒストリカルが示すように、この血統とディープインパクトとの相性の良さは特筆モノ。「母父エンドスウィープ」も好みですし、何よりこの馬に特別な思いがあるのは、誕生日が自分と一緒ということ(笑)。札幌デビューから阪神JFを経て、桜の舞台では少し遅い誕生日祝いを飾って欲しいと思います。<目標:桜花賞>

 みんな大好きなマツパク厩舎。その中でも最上級に評価していたのが、この馬でした。既に入厩済なのも魅力的ですし、厩舎サイドのジャッジも上々。期待ほどの実績を残せていなかった母の産駒も、1つ姉のタガノミュルザンヌでようやく当たりの気配。1つ下で再びスペシャルウィークを種付けしているのがニオいますし、マツパク厩舎とSW産駒はブエナビスタで実績も十分。同期の中でも、人気はディアマイベイビーやラウンドワールドに譲りますが、最も結果を残すのはこの馬でしょう!<目標:ダービー>

 半姉サトノジュエルが未出走引退ということで、この馬には姉の分まで頑張って欲しいです。母は初仔のクリーンエコロジーから結果を出していますし、牧場サイドによると、姉も故障さえなければ相当な素質を感じていたようです。本馬も姉以上に評価も高く、何しろマツクニ師の強気なコメントにビビってしまうほ ど。実際の人気よりは上位に思われますが、母を命名した縁もあり、他人に獲られたくなかったのでこの順位での指名になりました<目標:NHKマイルC>

 初仔から3年連続指名。母の産駒は、ファルブラヴ、シンボリクリスエスと来て、今度はチチカステナンゴ…。個人的には父は微妙だし、馬名も微妙。ただ、近況を見る限りだとこの馬の評価は非常に高く、今の所は期待に見合った成長を見せている模様。これだけの募集価格(1億!)ですし、評判通りの走りを見せてくれるなら、重賞にも手が届いても驚きません。どうも敬遠されがちな血統のようですが、日本を代表する血脈の底力を見せつけて欲しいです。<目標:NHKマイルC>

 今年のトップバッター!アイムユアーズで大変お世話になった手塚厩舎の馬を探していたときに、確実に計算できる1頭として指名させていただきました。坂路のタイムは確勝級ですし、今シーズンの初勝利はこの馬で間違いないでしょう。2歳戦からバリバリ行ける血統ですが、裏を返せば超短距離血統。ただ、この一族の中でも本馬は距離 に融通が利きそうという話もありますし、なんとかマイルはこなして欲しい。馬体重が430キロにも満たない点だけはネックですので、なんとかカイバをしっ かり食べて成長していって欲しいですね。<目標:朝日杯FS>

 “シンボリクリスエスの再来”ですか。いやー、藤沢厩舎のこんな馬を指名するのはサトノケンシロウやメテオグローリー、ストームファング以来ですね(笑)。ただ、この馬に関しては藤沢師が勝手に吹いているワケでもなく、調教でもいい動きを見せているようですし、何しろウチパク騎手が稽古を付けているのが心強い。藤沢ダービー(青葉賞)を狙えるような血統には思えませんが、マイルでなら出世してもおかしくないと思います。シーズン2週目に早くもデビュー。しっかりと人気に応えてくれるようであれば、1年間楽しませてもらえそうですね。<目標:東スポ杯2歳S>

 順位的には中位ですが、計算できる1頭としてはかなり評価しています。マル外を指名するなら、ダートや短距離馬といった最も可能性が高いジャンルを狙っていますので、そういう意味でもこの馬はドンピシャでした。セールの動きは凄まじくダイナミックですし、既に入厩済という順調さも嬉しい所。エイシン(エーシン)に実績があるTale of the Cat産駒ですし、短距離馬ということを考えれば、西園厩舎は申し分ないですね。ダートは鬼でしょうが、芝をこなせる適正さえあれば、期間内でかなり稼いでくれると思います。<目標:NHKマイルC>

 もともとは指名するつもりがなかったものの、この順位で獲れるならオイシイと思います。母の産駒は見事にダートに出ていますが、個人的にはそれでもオッケー。タキオン産駒はダートでもつぶしが利きますし、期間内に2勝してくれれば合格点。それに加え、もしも芝に適性があったとすれば、この厩舎ですし夢を 見てもいいんじゃないでしょうか。自分の11位指名馬はオルフェーヴル→アイムユアーズと最高の流れで来ていますし、この馬も続いて欲しいですね。<目 標:昇竜S>

 本当はもっと上(6位ぐらい)で考えていたんですけど、誰も指名しそうな気配が無いので、ここまで落とすことができました。橋口厩舎はクラシックの王道を歩みそうな馬に注目が集まりがちですが、短距離馬を育てるのも本当に上手。この馬は既に入厩済ですし、早めデビューから小倉2歳Sまで視野に入っていま す。この配合パターンで結果を出していますし、このぐらい特徴がハッキリしているほうが好都合。最悪の場合、ダートでもイケるでしょうし、堅実な活躍を期 待しています。<目標:小倉2歳S>

 “らしくない”指名ですが、速攻系を重視した今シーズンのラインナップを象徴するような1頭だと思います。既に入厩済ですし、阪神デビューも決定。母の産駒はデビューさえできれば計算は立ちますし、ディープよりウォーエンブレムのほうがしっくり来ます。ゲートの出も早いみたいですし、早め先頭から他馬を突き放してしまうような、姉のアルーリングボイスを重ね合わせるような馬になって欲しいですね。アルーリングアクト→アメージングタクトと、韻を踏みながら付けられたセンスのいい馬名も大好きです。<目標:小倉2歳S>

 厩舎、馬主、配合、馬名・・・どれをとっても最高ですね。母は以前のPOGで“補欠”で逃した馬。阪神JF後は奮いませんでしたが、デビュー2戦目のGI で結果を残すあたり、秘めた能力はスゴいモノがありました。社台RHと藤原英厩舎との相性は抜群ですし、この厩舎に何のゆかりもない母の初仔を預けた点を 見ても、この馬の出来の良さが伝わってきます。大型馬なので始動は遅めでしょうが、調教も順調にこなしていますし、無事にデビューを迎えて欲しい。自分好 みの馬が活躍したら相当に気持ちいいだろうなーとワクワクしています。<目標:ダービー>

 角居厩舎の社台系の馬たちが多数指名される中、自信を持ってこの馬を獲ることが出来ました。自分の中では、角居厩舎で屈指の1頭だと思っています。初仔のレディアルバローザ、2番仔のキャトルフィーユと活躍していますし、ネオユニとの配合で初の牡馬に出たことで、狙いは当然クラシック。牧場サイドだけでなく、角居師の評価も非常に高い1頭。社台系の良血馬たちを蹴散らして、王道を歩んで欲しいと思います。<目標:皐月賞>

 本当は指名するつもりはなかったんですが、この順位まで残っていたのでさすがに獲りに行きました。まさか藤沢厩舎を3頭も指名してしまうとは!しかし、豪華絢爛な藤沢厩舎において、この馬はかなり堅実に走ってくると思います。ファルブラヴ、シンボリクリスエスで結果を残してしまう母の仔ですし、 父が変わったのは最大の強調材料でしょう。もともと、キングカメハメハ産駒の中でも最上級に評価していた馬ですし、ドラフトが終わった今になってみて「指名できて本当にラッキーだったなぁ」と思いますね。<目標:スプリングS>

 ここら辺からは趣味枠。とはいえ、下河辺牧場のこの世代のナンバーワンとされている馬ですし、A級マイラーに育つと評価しています。Bernardini産駒の姉は期間内2勝、芝のフィリーズレビューでも5着に入っています。この馬は父がタキオンに変わり、姉以上の芝適性が期待できますから、重賞まで手が届いても不思議ではありません。安田厩舎に変わったのもいいですし、早めに始動できそうなのも好材料。見逃しがちな素質馬を見事に指名できた充実感さえ持っています。<目標:シンザン記念>

 サトノプレシャスに続き、タキオン産駒で安田厩舎。この馬の母は、当時ルーキーだった川田騎手を乗せて紫苑Sに勝ち、秋華賞にも出走。自分としてもその後の活躍に注目していましたが、結局はターフに戻ることはできませんでした。その母の初仔ということ、そしてタキオン産駒ということで、どのぐらいポテン シャルを秘めているんだろうと楽しみ。近親にトランセンドもいますし、この配合ですからダートでも期待が持てるでしょう。<目標:ファンタジーS>

 まさかこの順位で競合するとは…。金子真人HD×国枝厩舎×早期デビュー×芝千八×蛯名騎手ということで、あの3冠牝馬と重なる点が多いんですよね。とは いえ、問題なのは父。「バゴ産駒ながらセレクトセールで高値」なんて言いますけど、バゴはバゴ(笑)。そのハンデさえも、国枝師の腕で超えることはできる のか、それとも過去の指名馬イオスの再現となってしまうのか…ちょっとギャンブル的な指名だったと思います。ちなみに、この馬を獲られた際はティーハーフ を指名しようと思っていたので、選択が正しかったかどうかも見ものです。<目標:朝日杯FS>

 指名理由もいよいよ最後の1頭。この馬は本当に自分が狙いに狙った1頭です。このUMASAMURAIスタート以降、指名したファルブラヴ産駒は2頭。その両方(ダンスファンタジア、アイムユアーズ)ともに重賞ウイナーなんです。ファルブラヴ産駒でこんなに活躍馬を指名しているのは自慢できるんじゃないかなー(笑)。そして、3シーズン目の今季に指名したこの馬は、先輩2頭を足して2で割ったような要素が満載。血統に詳しい方ならもうチェック済でしょうが、「ファルブラヴ×ダンシングキイ一族」というのはダンスファンタジアと同じ。「父ファルブラヴ×母父エルコンドルパサー×母父父サンデーサイレンス」というのはアイムユアーズと同じ。どうでしょう!素晴らしいでしょ。それに加え、母は過去のPOG指名馬でもありますし、自分が指名するために生まれてきたような1頭だと思っています。思い入れは20頭の中でも屈指ですし、ぜひ先輩たちに続くような活躍を見せて欲しいです。<目標:フェアリーS>

 とまぁ、こんな感じで指名理由を書き終えました。いやー、疲れた。。。
 3連覇なんて重圧が掛かるモノもありますが、まずはどの馬も無事で、そして最後まで楽しめるシーズンが送れればいいと思っています。

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