馬侍メンバーの「チュカイ」がお届けするコラム、「Heal Their Hearts」。
 2回目の今回は、1年間をともに戦う“相棒”を紹介します。

 さてさて、初年度となる今シーズンのPOG。
 ドラフトは大激戦で、獲りたい馬がなかなか指名できなかったこともありましたが、紆余曲折を経て、1年間を一緒に戦ってくれる20頭が決定しました。

 ドラフト会議中はなかなか全馬を見渡すことができなかっただけに、落ち着いて指名馬を眺めると「パンチが足りなかったかなぁ」なんて印象を持ちました。
 但し、“長距離砲”や“大物”が少ない面はありますが、どのメンバーよりも“堅実”な馬が揃ったという自負はあります。

 今年の指名馬たちは殆どが入厩のメドが付いており、開幕週から夏、そして秋競馬開幕の頃には大半がデビュー済なんてこともあるかもしれません。

 早期から稼ぐというのは圧倒的なアドバンテージになりますし、これだけの人数ですので、“2勝馬”も大きくカギを握ると思うんです。
 そういう面で言えば、本当に頼もしい馬たちが揃ったと思います。

 初年度ですし、目標はやはり「優勝」です。
 今年の指名馬は…速攻系、短距離、ダート、クラシックなど、本当にバラエティー満載。
 1年後に、強力な“チュカイ打線”が結果を残していることを夢見ましょう!

 さてさて、前振りが長くなりました。指名馬たちを紹介します!!

 記念すべき、最初のシーズンの1位にふさわしい馬です。「今年の1位をどれにしようかな…」と考えた時に、まずはレーヴディソールや母エアトゥーレあたりを考えた。正直、この馬はそんなに高い評価では無かったけど、あらゆる媒体で高い評判を見るたびに、「1位にふさわしいのはこの馬しかいない」と思えるようになりました。本当に素晴らしいスーパーホース!血統背景とかの解説は必要ないでしょう。冠名「トーセン」は未だにGⅠを勝っていないけど、ダノンや市川氏(ピサ)が結果を出した所を見ても、『そろそろ』って気持ちは否めない。この馬の単独指名は本当にラッキーだったなぁー。文句なしで今年の“エース” です。<目標:ダービー>

 レーヴディソールを2位で獲れると思ったんだけど、1位で消えたもんで…牝馬で最上位級で評価していたこの馬を、この位置で指名しました。母は気性的にアテにならない面があったので、字ヅラほど世間の評価は高くないけど、「桜花賞」「ヴィクトリアマイル」勝ちで「天皇賞2着」という実績は素晴らしいです。 そして、この馬は牧場からの評価も本当に高く、藤沢和師の評価も非常に良いものがあります。とにかくここまで順調で、札幌デビューなんて話もあるほど。今やイマイチ種牡馬の烙印を押されつつある、父のファルブラヴですが、牝馬は結構走ってるんですよねー。母に続く活躍を期待しています。<目標:桜花賞>

 本当はこの位置でヴィジャイを指名する予定だったけど、入厩の一報を聞き、直前に方針転換。まさかこの血統で、この時期に入厩するとは…。530キロ近い 体重で、成長力のある血統なのでPOG向きかは微妙だったけど、これだけ早ければ文句なしでしょう。「社台の牡馬1番馬」なんて話を最近聞くし、クラシック戦線を目指す為に本当に素晴らしい馬を獲得できたと思ってます。「社台F-金子真人」ラインは実績に乏しい面もありますが(私もコードテレグラムの被害 者…笑)、父ディープの馬主に父の産駒の中でも、とびきりの馬を庭先で譲ったという点(妄想込)にワクワクします。この馬を獲れたから、ドラフトの被害が 少し和らいだって面が結構ある、個人的には意味のある指名でした。<目標:ダービー>

 父のハーツクライが好きでした!(ただの橋口信者って話も…笑)、なのでハーツクライの1番馬は是非とも指名したかった。橋口厩舎に数多くのハーツクライの仔が入るけど、どの媒体で師のインタビューを読んでも、間違いなく“最上位”評価はこの馬でしょう。大型馬だけにじっくり鍛えて…と思っていたら、まさかの早期で山元移動のサインも出ました。想像以上に順調に来ているみたいです。父と母系の軽さも合いそうですし、京都の中距離デビューから1戦ごとに力を付けて、橋口さんの悲願のダービー制覇へ突き進んでもらいましょう。ちなみに、ダンスインザダークやダンスインザムード、ブエナビスタの一口馬主でもある草野仁氏(キャスター)の08年産駒の出資馬はこの馬です。強運にもあやかりたい!<目標:ダービー>

 「あれ?こんな順位なのにまだ出てきてないの!?・・・じゃあ、指名しちゃおっかぁ!」って感じでした(笑)。こんなことができるから、今年のドラフトは 面白かったです。上のヴェラブランカがコケたから、ここまで低い順位で指名できたって所もあるでしょうが、ジャングルポケット×アドマイヤサンデーの配合 は文句なし!(フサイチホウオー、トールポピー)。阪神開幕週デビューも決定してますし、その後の北海道で使うローテも決定済・・・ってことは新馬勝ちは決まったも同然です。プロフィール的にも満点に近い馬ですし、全姉に続く活躍を期待しています。<目標:オークス>

 この順位では早すぎると思いましたが、どうしても欲しかった馬なので、自分では納得の指名です。去年のシンメイフジを最後まで悩んで悔しい思いをしたの で、この馬は絶対に逃したくなかった。近年は早期始動が目立つ安田厩舎。今年も数頭が入厩していますが、ダントツで評価が高いのはこの馬です。阪神2週目 という早期デビューに加え、姉(アニメイトバイオ)も活躍馬、育成段階の評判も上々と来れば、魅力的な面がたっぷりすぎます。2歳戦でどこまで稼いでくれ るのか、楽しみで仕方ないです。<目標:阪神JF>

 冠名「ネオ」、会社名「ザイオン」、母名も「ザイオン」・・・それで馬名は「ネオザイオン」。いやぁ、すごいっすね!こんな偶然ってあるのでしょうか。優駿ですごい評価を掛けられていて、厩舎が藤原英って判明した時はめちゃめちゃテンションが上がりました!今年の他オーナーの指名状況を見ても分かるよう に、藤原英厩舎の人気ってのもすさまじいモノがありますが、その中でも自分の中ではこの馬を最も評価していたので、指名できた時は軽いガッツポーズでし た。父タキオン×藤原英=そりゃ、走るでしょう!<目標:きさらぎ賞>

 「こんな血統馬が居るんだ!」→「いい馬だなぁー。牧場の評価も高いなぁー」→「えぇぇぇ!!!!橋口さんの所に入るのかよぉぉ!」→ってことで、文句なしで早々に指名確実になった馬です。橋口厩舎の別のタキオン(スカイスクレイパー)は指名されてしまいましたが、自分の中での真打ちはこの馬!産地馬体検査に出てきていないので露出自体は多くないですが、牧場の評価は相当高いです。「臼田浩義氏×橋口厩舎」のラインと言えば、フォーマルモードの呪縛がありますが、この馬でリベンジしたいっす。ダートで大活躍した母ですが、この馬は芝でもイケると思っています。ただ、保険として…最低でもダートで2勝は間違いないでしょう。<目標:桜花賞>

 今年の血統指名馬です。血統見た時にテンションが上がり、近藤利一氏所有だと知り、マツパク師だと知り、どんどんボルテージが上がった馬です!指名した時のみんなの反応が「?」だったけど、獲られるんじゃないかヒヤヒヤでした。4位のリフトザウイングスに続く、「レンⅡ」一族。兄のレインスティックは期 間内にしっかり2勝してますし、いつかこの一族は大ブレークが見込めると思っています。社台ファームで近藤利一氏、更に庭先取引って所に妙にクサさを感じます。アドマイヤ馬の中で目立たない存在ながらも、しっかり札幌デビューが決定済。このパターン、自分はアドマイヤムーンとカブせちゃうなぁ。<目標:皐 月賞>

 速い!速い!!短距離のスペシャリストになって欲しい馬です。ファシグティプトンの高馬ってのももちろんなんですが、セールの調教映像(補足=ネットで見られるようになったのは本当に便利ですよね。昔はGCの「海外競馬」番組をビデオに録って、何度も何度も見てたから…)を見た時に「はぁぁ!?なに、この脚の回転!すげぇ!!」と感じました。Indian Charlie産駒で日本で走った馬の打率はものすごい高さがありますし、ノーザンがセリで購入した点も見逃せません。そして、これからどんどん活躍して いくであろう村山師が管理するという点も魅力的。期間内はファルコンSを勝てれば儲けモノですが、期間を過ぎても応援できるバリバリのスプリンターに育ってくれることでしょう。<目標:ファルコンS>

 アヴェンチュラに続き、「あれ?まだ指名されてないの??じゃあ、獲っちゃうかぁ」てな感じで指名しました(笑)。超評判馬だったジャポニズムはコケましたけど、この馬はドリームジャーニーの全弟になりますし、体もコンパクトでいいと思います。新潟デビューを見込んでいるぐらい順調ですし、普通に走れば大きくコケることは考えづらいでしょう。同じ池江寿厩舎としても、秋デビューからクラシックの王道路線はトーセンレーヴに任せて、この馬は朝日杯狙いで賞金を加算していってほしいと思います。<目標:朝日杯FS>

 橋口厩舎のハーツクライ産駒の中でも、この馬とリフトザウイングス以外は指名するつもりがなかったので、大満足の指名です。この馬は間違いなく長距離バッターで、大当たりするか大コケするかのどちらかだと思いますが、とんでもない場外ホームランをかっ飛ばす可能性もあると思ってます。橋口さんの「この馬でキングジョージ制覇を」ってコメントも冗談半分ながらも、ちょっと本気に受け止めちゃってる自分もいますしね(笑)。ハーツクライの良駒が生まれたから、育て親の元に預けたというオーナーの心意気にも心打たれます。ロシツキーのような馬(どんなだよ!)になって欲しいです。<目標:京都新聞杯>

 ソニンク大好きなんですけどねぇ、本当はこの馬は指名するつもりがなかったんです。どうも、今までのソニンク産駒と違うというか・・・なんとなくピンと来なくて。それは新鋭オーナー(馬主変更も?)というのもありますし、浅見厩舎でこの血統というのが全くマッチしないというか、イメージが沸かなくて。で も、こんな順位で残ってるんなら美味しすぎますし、露出が少ないからこそ、盲点になっていたと思うんですよね。ここまで本当に順調ですし、小倉か秋の阪神 にはデビューできそうな状況。フツーに走ればそれなりの結果は出してくれるハズですから、この血統のポテンシャルを改めて(自分にも)見せつけて欲しいで す。<目標:シンザン記念>

 「堅実」というのが今年のドラフトの(急に決まった)テーマなら、それを象徴する馬がこの馬だと思います。母の産駒は初仔のサンカルロ(父シンボリクリス エス)がNZT勝ち、2番仔のタガノディーバ(父フジキセキ)も新馬勝ちと、魅力いっぱい。この馬自身、産地馬体検査を受けなかったので露出は少なく人気になってはいませんが、プロフィール的には間違いなく「買い」の要素が溢れていると思います。今後注目を浴びる血統になると思いますし、この順位で獲れる のは今だけでしょう。出資者の方のブログをずっと見ていて、1歳時や牧場見学の際も、とにかく牧場サイドのトーンが高いんですよね。クリスエスで重賞を勝てるんだから、タキオンに変わったら・・・と妄想してしまいます。<目標:NHKマイルC>

 タイキシャトル×Storm Catの配合はメイショウボーラー、レッドスパーダ、ツルマルオトメなどの活躍馬を輩出。中央デビューを果たした19頭のうち、14頭が勝ち上がるなど、 抜群の相性を誇ります。そして、母のウィッチズハットの仔は9頭が中央デビューで、8頭が勝ち上がり。まさしく「堅実」を象徴する1頭だと思います。どう考えても、短距離がベストの配合ですが、爆発的なスピードを秘めていそうな血統ですし、芝もダートもこなせそう点にも好感を持てます。育成先での評判も 上々で、2勝はまず固いと思いますし、プラスアルファも期待できると思います。メイショウボーラーみたいになってくれたらなぁ。<目標:橘S>

 「今さら」な感じがするフェアリードール。ええ、私もそう思います(笑)。この母の産駒はビスクドール以降5頭を指名して来ましたが、6頭目の縁を持ちました。当初は指名するつもりがなかったんですが、POG媒体を見ても「トゥザヴィクトリー以来の大物」(サイレントディールはどうした!笑)やら「ノーザンFがウオッカを意識」など、相当評判も上々なんですよね。既にグリーンウッドに入ってますし、入厩も目前。新潟デビューも決まっているようですし、順調なのはとても良いと思います。体質の悪い一族ですが、まともに走った馬は活躍が見込めますので、同厩のオルフェーヴルと共に夏から暴れてもらいましょう! <目標:阪神JF>

 過去の指名馬の中でも特に思い出深いベストアルバム。デビュー戦から引退まで…ケガと戦いながらも、鋭い差し脚を幾度となく見せてくれてました。これほど 産駒が楽しみだった指名馬もいないぐらいだったのに、これほど愛した指名馬もいないぐらいだったのに・・・まさかの「死亡」の一報。本当に声を失いまし た。ベストアルバムが残した3頭の仔のうち、唯一の牝馬がこの馬です。「母の分まで走って欲しい」とは言いません。無事に無事に、牧場に帰ってきてほし い。そう願います。

 今が旬のロブロイ産駒。好きじゃないんですが(笑)、本馬はずっと気になっていたので指名しました。現役時代にオープン入りを果たした母のスプリングチ ケットは繁殖としても結果を出しています。バクシンオー産駒のスプリングソング、クロフネ産駒のカレンチャンもともに短距離で活躍中で、2頭とも期間内で オープンまで登りつめています。本馬はロブロイ産駒ですが、上記2頭よりも配合的にもシックリ来るような気がします。長浜厩舎というのも妙にマッチしそう ですし、GⅠを勝つイメージはないですが、トライアルで権利を取って、桜の舞台に名を連ねている姿が想像できるんですよねー。<目標:フィリーズレビュー>

 「オーストラリアのSS」と呼ばれる、父のリダウツ。産駒はとにかく圧倒的なスピードを生かし、世界の短距離界を席巻しています。そんな父に、短距離GⅠを2勝した名牝のフラワーパークとの配合。まぁ、フツーに考えても1200mでもギリギリ(笑)って感じですが、牧場サイドは『折り合いも付くし、マイルまでは余裕』との評。それなら、乗っかってみようという感じです。本馬は生まれた頃から本当に評判が良くて、色々な所で“噂”は見かけました。例年なら手が届かないような馬ですが、今年のドラフトの流れもあり、勢いと気合で指名してみます。もうすでに14-14ぐらいは軽く乗り込んでいるのですが、ミキオ師の期待がハンパなく高いようで、夏場を避けて秋デビューの予定。新馬戦を快勝して、ファンタジーSに挑むのは間違いないでしょう。<目標:桜花賞>

 記念すべき初年度、最後に劇薬を投下します!「なんで地方馬?」、「ロージズインメイなんて獲ってやんのw」なんて思ってる馬侍のメンバーたちはきっといるでしょうが、甘い甘い、いや、甘すぎる!能検と新馬戦のパフォーマンスを見た時に、本当に衝撃を受けました。“コスモバルク2世”・・・いや、そんなモンじゃない。それ以上の器だと思ってます。但し、それは芝を走れたらの話。正直…芝が全くダメな可能性もありますが、それでもダートで敵なしの快進撃を見せてくれるでしょう。指名直前で、「シニスターミニスター賞回避?」なんて話もあったから、ビビって迷いましたが、無事に出走のもよう。さぁ、明日!ホッカイドウ競馬に再び衝撃が走るぜ!!<目標:札幌2歳S/北海道2歳優駿>

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